クリスマス イベント 介護施設 残業

介護福祉士 資格証

 

こんにちは、現役介護福祉士のみきこです。

 

今回は、介護施設で行われるクリスマス会や夏祭りなどの季節イベントについて、現場で働く職員としての視点から、問題点と改善策をお話しします。

結論としては、イベントそのものは利用者さんにとって喜ばれるものであっても、それを実現するために職員が過度な残業や負担を強いられる状況は避けるべきです。

むしろ、職員が疲弊してしまうようなやり方なら、イベントをやらない方が良いというのが私の考えです。

 

利用者さんの笑顔のために働く私たち職員が、笑顔を失ってしまっては本末転倒です。

では、なぜこうした問題が起こるのか、どうすればもっと良い形でイベントを実施できるのかを、詳しく考えていきましょう。

 

季節イベントの「非日常」とその魅力

 

季節イベントは、利用者さんにとって普段の生活に彩りを加える特別な時間です。

普段の生活がルーティン化しがちな介護施設では、クリスマス会や夏祭りなどのイベントが利用者さんに新鮮な刺激を与え、心のリフレッシュになることがあります。

たとえば、クリスマス会では職員がサンタクロースに扮してプレゼントを渡したり、夏祭りでは輪投げや射的のようなレクリエーションを取り入れることが一般的です。

こうしたイベントを通じて、利用者さんの笑顔が増えたり、普段はあまり会話をしない方同士が交流を深める様子を見ると、「やってよかったな」と感じることも多いです。

 

ただ、その裏で職員がどれほどの準備や努力をしているのか、利用者さんやそのご家族には見えづらいのが現実です。

「利用者さんに喜んでもらいたい」という気持ちはあっても、実際にはその労力が職員にとって大きな負担になり、業務に支障をきたすことも少なくありません。

 

 

 

イベント準備が日常業務を圧迫する現実

 

季節イベントが近づくと、職員のスケジュールは一気に過密になります。

通常の業務に加え、以下のような準備が求められるからです。

  1. 飾り付けの準備:壁に飾るポスターや装飾品の手作り。クリスマスツリーの準備や飾り付けも含まれます。
  2. 進行スケジュールの作成:イベント当日の流れや担当者の役割分担を決める必要があります。
  3. 利用者さんの誘導や見守りの計画:参加する利用者さんの体調や安全を考慮して個別に対応を考える必要があります。
  4. 買い出しや道具の手配:イベントで使う小道具や材料を用意するため、職員が休日に自腹で買い出しに行くケースもあります。

こうした準備の負担が増えると、日常業務に支障が出るのは明らかです。

 

特に、見守りや食事介助といった重要な業務が手薄になることは避けなければなりません。

また、準備のために残業が増えたり、休憩時間が削られると、職員のストレスや疲労が蓄積し、利用者さんへの対応にも影響を及ぼします。

 

 

 

利用者さんは本当にイベントを望んでいるのか

 

季節イベントが利用者さんにとって本当に必要なものなのかを考えることも重要です。

利用者さんの中には、非日常を楽しむ方もいれば、普段の生活リズムを崩したくないと感じる方もいます。

私の経験では、利用者さんの中には「普段通りが一番落ち着く」とおっしゃる方も少なくありません。

 

たとえば、クリスマス会で少し長めのレクリエーションを行った際、「疲れてしまった」「いつものように昼寝したかった」と不満を漏らす方がいました。

また、イベントが苦手な方や大人数の中での活動に不安を感じる方もいます。

 

イベントが利用者さんにとって喜びになるかどうかは、個人の性格や体調に大きく左右されます。

そのため、施設全体で一律にイベントを実施するのではなく、個別のニーズに合わせた形で対応する工夫が必要だと感じます。

 

 

 

イベント準備が職員のQOLを奪う現実

 

利用者さんのQOL(生活の質)を高めることが介護の目的の一つであることは間違いありません。

しかし、それを実現する職員のQOLが犠牲になっている現状を無視してはいけません。

 

たとえば、イベント準備のためにサービス残業が常態化している施設もあります。

私自身、休日に飾り付けの材料を買いに行ったり、業務時間外にレクリエーションの練習をした経験があります。

そうした時間や労力が当たり前のように要求されると、「自分の時間が奪われている」という不満が蓄積します。

 

さらに、イベントの準備中に他の業務が滞ると、結局はそのツケが職員に回ってきます。

例えば、記録業務が後回しになり、結局夜遅くまで残業しなければならないこともありました。

こうした状況では、職員が疲れ切ってしまい、利用者さんへのケアの質が低下するリスクもあります。

 

 

 

「非日常」より「普段の生活」を充実させるべき

 

私が考える理想の介護施設は、特別なイベントに頼るのではなく、日常生活を充実させることに力を入れる施設です。

例えば、以下のような取り組みは、利用者さんにとっても職員にとっても負担が少なく、効果的だと考えます。

  1. 日常的なリハビリの充実:軽い運動や体操を毎日の生活に取り入れることで、利用者さんの健康を保ちます。
  2. 選べるレクリエーション:無理に全員参加のイベントを実施するのではなく、個別に選べる活動を増やします。

小さな季節感の演出:大掛かりなイベントではなく、食事に季節の食材を取り入れたり、施設内に簡単な飾り付けをするだけでも、利用者さんに季節感を感じてもらえます。

こうした日常的な取り組みは、職員の負担を軽減しながら、利用者さんの満足度を高めることができます。

 

 

 

イベントの在り方を見直すべき時期

 

もちろん、季節イベントが職員同士のチームワークを高めたり、施設の雰囲気を明るくする効果があるのも事実です。

ただ、それを実現するためには、現状のやり方を見直す必要があります。

たとえば、大掛かりなイベントではなく、小規模で負担の少ない形にすることや、業務内で準備が完結するようにスケジュールを調整することが考えられます。

また、必要な経費を職員に負担させるのではなく、施設がしっかりと予算を確保することも重要です。

 

 

 

まとめ

 

介護施設での季節イベントは、利用者さんにとって素敵な時間となる可能性を秘めています。

しかし、それを実現するために職員が過剰な負担を強いられるようでは、続けていく意味が薄れてしまいます。

利用者さんと職員の両方が笑顔になれるイベントを実現するためには、現場の声をもっと反映させ、無理のない形で進めることが大切です。

あなたの施設でも、ぜひ一度イベントの在り方を見直してみてくださいね!