こんにちは、介護福祉士みきこです。
介護の現場で働いていると、不平不満を言い続ける「お局(おつぼね)」の存在に悩まされることがあります。
彼女たちは自分の意見が絶対正しいと思い込み、周囲にその価値観を押し付ける傾向があります。
そんなお局の存在が職場の空気を悪くし、新人職員が辞めてしまう原因にもなることがあるのです。
今回は「介護現場におけるお局問題」について、その特徴や影響、そして私たちがどのように向き合うべきかを考えていきます。
皆さんの職場にもそんな存在はいますか?
どこの介護現場にもお局はいるのか?
介護の現場に限らず、どの職場にも「お局的存在」はいると言われますが、介護業界では特にその存在が目立ちやすいのではないでしょうか。
なぜなら、介護は人間関係が密接で、チームワークが欠かせない仕事だからです。
お局は職場の経験年数が長いことを理由に、自分の意見を絶対視し、周囲にその価値観を押し付ける傾向があります。
例えば、新人職員が「この利用者さんはこう対応した方が良いのでは」と提案しても、「そんなやり方は駄目よ。私はこうしてきたんだから、あなたもそうしなさい」と言い切ることがあります。
確かに経験豊富なお局の意見には一理ある場合もありますが、すべてが正しいわけではありません。
それでも自分のやり方が正しいと信じて疑わないのがお局の特徴です。
職場によってはその発言力が強すぎて、周囲が萎縮してしまうこともあります。
不平不満が職場に与える影響
お局が不平不満を口にすることで、職場全体の空気が悪くなることは少なくありません。
たとえば、休憩室で「最近の新人は全然使えない」「上司も何を考えているのかわからない」といった発言をするお局がいると、その場の雰囲気が一気に重くなります。
また、お局はその不満を他の職員にも共有しようとするため、いつの間にか職場全体にネガティブな空気が広がってしまいます。
さらに、新人職員に対してお局が厳しい態度を取ることで、新人が早期に退職してしまうこともあります。
私自身、新人の頃に「そんなこともできないの?」と言われて悔しい思いをしたことがありました。
当時は辞めたい気持ちを何とか抑えましたが、それができない人も多いのではないでしょうか。
お局の不満が原因で人材が流出してしまうのは、職場にとって大きな損失です。
ダークなカリスマ性と周囲への影響力
お局はただ不平不満を言うだけでなく、時に「ダークなカリスマ性」を持っていることがあります。
つまり、自分の意見を押し通すだけでなく、周囲の人を巻き込む力があるということです。
たとえば、「あの上司は何もわかっていない」「この施設のやり方は間違っている」と言い続けることで、他の職員もそれに同調してしまうことがあります。
こうしたお局の影響力は、一種の「感染症」のようなものです。
腐ったみかんが他のみかんを次々と腐らせてしまうように、ネガティブな考え方が職場全体に広がってしまうのです。
一度その影響を受けると、周囲も同じように不平不満を口にするようになり、結果的に職場の士気が低下してしまいます。
この状況をどう防ぐかが、職場の健全性を保つための課題です。
お局はなぜ生まれるのか?
そもそも、なぜお局は生まれるのでしょうか?
その背景には、職場環境や個人の性格が影響していると考えられます。
介護の現場では経験年数が長いほど発言力が強くなる傾向がありますが、それがエスカレートすると「私は長く働いているから正しい」という考え方に繋がりがちです。
また、長年同じ環境で働いていることで、新しい考え方ややり方を受け入れにくくなる傾向もあります。
さらに、介護現場の過酷さもお局を生む原因の一つです。
人手不足や過重労働によるストレスが溜まり、それが不満として表れることがあります。
その不満が積み重なると、次第に周囲に当たり散らすようになり、結果的にお局的な存在になってしまうのです。
このように、お局は環境と個人の問題が絡み合って生まれる存在と言えます。
新人職員に対する態度の問題
お局の特徴の一つとして、新人職員に対して厳しい態度を取ることが挙げられます。
新人がミスをした時に、「そんなこともできないの?」と冷たく突き放すような発言をすることがあります。
また、利用者の対応方法について新人が提案しても、「あなたは何もわかっていない」と一蹴することも少なくありません。
こうした態度は、新人の成長を妨げるだけでなく、職場に馴染むことを難しくしてしまいます。
新人職員が早期に辞めてしまう原因の多くは、人間関係の問題だと言われていますが、その大きな要因の一つがお局の存在です。
新人が辞めるたびに「最近の若者はすぐに辞める」と文句を言うお局を見ていると、その原因が自分にあることを気づいてほしいと強く思います。
お局問題にどう対処すべきか?
お局の存在が職場に与える悪影響を考えると、何らかの対策が必要です。
そのためには、まずお局本人に自分の態度や言動が周囲にどのような影響を与えているかを理解してもらうことが大切です。
しかし、それは簡単なことではありません!
お局は自分が正しいと信じているため、他人の意見に耳を貸さないことが多いからです。
そこで、管理職やリーダーが間に入って、お局の言動を客観的に伝える場を設けることが有効。
また、職場全体でコミュニケーションを見直し、誰もが意見を言いやすい環境を作ることも重要です。
それが出来ないのであれば、「意見箱」を設置してみるのも効果的。
新人が意見を出しても否定されず、むしろそれを歓迎するような雰囲気があれば、お局の影響力を抑えることができるでしょう。
お局の良い面を引き出すことも必要
お局が必ずしも悪い存在というわけではありません。
経験年数が長い彼女たちには、現場で培った知識やスキルが豊富にあります。
そのため、お局の良い面を引き出し、職場のために活かすことができれば、職場環境が大きく改善される可能性があります。
たとえば、お局に新人教育を任せることで、自分の経験をポジティブに活かしてもらう方法があります。
ただし、この場合は、お局に対して「教育する側の責任」を自覚してもらう必要があります。
教育の場を通じて、お局自身の考え方が変わり、ネガティブな言動が減ることも期待できます。
まとめ
お局の存在は職場にとって悩ましい問題ですが、完全に排除することは現実的ではありません。
そのため、私たちができるのは、お局と適切な距離を保ちながら、職場全体のコミュニケーションを改善することです。
また、自分自身が「プチお局」になっていないかを振り返ることも大切です。
お局問題は職場の人間関係を映し出す鏡のようなものです。
だからこそ、職場全体で協力し、健全な環境を作る努力を続けることが求められます。
あなたの職場には、お局的存在はいますか?そして、その存在にどう向き合っていくべきだと考えますか?