ケアマネ 要支援を返す

介護福祉士 資格証

 

こんにちは、介護福祉士みきこです。

 

介護現場で働くケアマネジャーにとって、要支援のプラン作成や対応における課題が増大しています。

特に、居宅のケアマネジャーが次々と要支援の業務を地域包括支援センターに返却する状況は深刻です。

この問題には、報酬の低さや業務負担のアンバランスさ、制度上の矛盾など、複数の要因が絡み合っています。

本稿では、この問題を掘り下げ、背景や現場の声、さらに解決に向けた考え方を整理していきます。

 

要支援の返却が相次ぐ背景

 

居宅のケアマネがどんどん要支援のケースを返してくる背景を見ていきましょう。

 

 

報酬の低さと労力のアンバランス

 

要支援のプラン作成にかかる労力は、要介護と同等、もしくはそれ以上のことがあります。

しかし、その報酬は要介護の3分の1から4分の1程度しかありません。

このアンバランスな報酬設定が、ケアマネジャーの意欲を削いでいる大きな要因です。

例えば、要支援の利用者の場合、支援が少ない分、サービスの選定や調整が難航することがあり、結果として訪問や相談の回数が増える傾向にあります。

それにもかかわらず、労力に見合った報酬が得られない現状が、要支援を敬遠する一因となっています。

 

 

書式の複雑さ

 

要支援のプランに必要な書式や手続きが要介護とは異なり、場合によってはさらに煩雑です。

総合事業で必要とされる書類やコメントの記載など、何度も事業所や包括とやり取りを繰り返す必要があることが、現場での負担を増大させています。

特に、地域包括から提供される情報が不十分な場合には、利用者との再確認が発生し、時間的コストがさらに膨らむのが現状です。

 

 

総合事業の制度上の問題

 

「総合事業」という概念自体が、介護現場の実情に合っていないと指摘されています。

この仕組みでは、地域の実態に応じて柔軟な対応が求められる一方で、その基準や運用が曖昧なために混乱が生じやすいです。

また、チェックリストなどの仕組みが、必要以上に多くの人を対象者とする可能性も指摘されています。

 

 

 

現場の声:課題を抱えるケアマネジャーたち

 

現場からは次のような声が聞かれます

「予防プランは書類が多すぎてやりたくない」

要介護と比べて報酬が低いにも関わらず、必要な書類の作成量は変わらない、あるいは増えている現状があります。

「要支援1はほぼ自立レベル」

自立している利用者に対して介護保険を利用するのは適切ではないという意見も多く、場合によっては他の支援制度やサービスの活用が求められるべきだとの指摘があります。

「包括への返却が不可避な状況」

地域包括支援センターに返却せざるを得ない状況が増えていますが、包括も人手不足や業務量の増加で対応しきれないという負の連鎖が生じています。

 

 

 

今の日本じゃ無理かも!?解決策と今後の展望

 

私なりにですが解決策を考えてみましたが、今の日本ではあてにならないかもしれません。

 

 

報酬体系の見直し

 

要支援のプラン作成報酬を引き上げることが喫緊の課題です。

報酬が少なすぎる現状では、ケアマネジャーが積極的に取り組む意欲を持つのは難しいです。

少なくとも要介護プランと比較して、労力に見合った適正な報酬が支払われる仕組みが求められます。

 

 

書式・手続きの簡素化

 

書式や手続きの標準化、簡素化を図ることで、ケアマネジャーの負担軽減が可能です。

例えば、要支援プランの様式を要介護と共通化するなど、現場での効率を高める工夫が必要です。

 

 

地域包括支援センターの強化

 

包括の職員を増員し、ケアマネジャーが円滑に要支援のプランを作成できる体制を整えることが重要です。

また、包括と居宅の役割分担を明確化することで、両者の業務がスムーズに連携する環境が求められます。

 

 

要支援者の支援範囲の再検討

 

要支援者が本当に介護保険を必要としているかどうかの基準を見直し、自立支援が可能な人には、介護保険以外のサポートを提供する仕組みを拡充する必要があります。

 

 

 

まとめ

 

要支援を返却せざるを得ない現状は、報酬の低さや制度の矛盾など、複数の課題が絡み合った結果です。

このままでは、ケアマネジャーや地域包括支援センターだけでなく、最終的には利用者にも負担が及ぶことが懸念されます。

介護現場の崩壊を防ぐためには、報酬の見直し、手続きの簡素化、包括の強化、そして要支援者の基準の再定義が不可欠。

介護業界全体で問題意識を共有し、改善に向けた取り組みを進めていくことが、私たちの現場を守る第一歩となるでしょう。