こんにちは、介護福祉士みきこです。
「介護士はやめとけ」という言葉を耳にすることがあります。
学校の進路指導や親しい人から、そうしたアドバイスを受けた経験がある方もいるのではないでしょうか。
この言葉には、世間のイメージや先入観が大きく影響しているように感じます。
しかし、介護の仕事に従事する一人として、実際の現場を知る者だからこそ伝えたいことがあります。
果たして「やめとけ」という言葉は本当に正しいのでしょうか。
このテーマについて掘り下げてみましょう。
「介護はやめとけ」と言われる背景とは？
まず、介護士が「やめとけ」と言われる理由を考えてみます。
一般的に、介護の仕事には「3K（キツい、汚い、給料が安い）」というイメージがつきまとっています。
このイメージが、介護職に対するマイナスの印象を広めているのでしょう。
しかし、この3Kのイメージが現実とどの程度一致しているかについては、一度立ち止まって考える必要があります。
確かに介護の仕事は体力を使う部分が多く、排泄介助などの業務もあります。
ただし、現場で働いてみると、それらが「キツい」や「汚い」とだけ表現される仕事ではないことが分かります。
むしろ、やりがいを感じられる場面の方が多いです。
低賃金については確かに課題として残っていますが、それも職場によって異なる部分があります。
こうしたイメージだけで「介護はやめとけ」と言われることに対して、介護職としてはやりきれない思いがあります。
現場のリアル――キツさとやりがいのバランス
介護の仕事は確かに体力的・精神的に大変な部分があります。
例えば、夜勤で利用者の見守りをする中で緊張が続いたり、排泄介助が立て続けに発生して手が離せなかったりすることがあります。
それでも、その仕事の先には「ありがとう」という利用者からの言葉や笑顔があります。
これが何よりのやりがいです。
「キツい」と感じるかどうかは、職場環境や個人の適性による部分も大きいです。
一人で多くの利用者を見なければならない状況が続けば、どんな人でも負担を感じるでしょう。
しかし、十分な人員配置がなされている職場では、職員同士で助け合いながら働けるので負担が軽減されます。
結局のところ、「キツい」と感じるかどうかは職場の環境次第で大きく変わるのです。
「汚い仕事」という誤解について
介護の現場では排泄介助や清拭など、身体のケアを行う場面があります。
これが「汚い仕事」というイメージを持たれる要因の一つかもしれません。
しかし、実際にはこれらの業務を通じて利用者の清潔を保ち、快適な生活を提供するという大切な役割を担っています。
慣れるまでは大変と感じることもあるかもしれませんが、業務に慣れてくると自然と対応できるようになります。
それに、こうした業務を「汚い」と感じるかどうかは、職員自身の意識次第です。
利用者の尊厳を守るためのケアと考えれば、それが「汚い」ではなく「必要で重要な仕事」に変わるのです。
低賃金の現実とその改善の兆し
「介護は給料が安い」というのも、介護職が不人気である理由の一つに挙げられます。
確かに、他業種と比べると初任給が低いと感じる場面があるかもしれません。
しかし、介護業界全体で処遇改善加算などの取り組みが進み、少しずつ改善されていることも事実です。
また、資格を取得したり、スキルを高めたりすることで昇給のチャンスもあります。
「給料が安いから介護はやめとけ」という声も聞きますが、それだけで仕事の価値を判断するのは早計ではないでしょうか。
実際、介護職は利用者やそのご家族の人生を支える大切な仕事であり、その社会的な意義はお金に換えられないものがあります。
「誰でもできる仕事」ではないという現実
介護職は「誰でもできる仕事」と思われがちです。
しかし、実際には高いスキルと深い知識が必要です。
利用者一人ひとりの身体状況や生活環境に応じたケアを提供するには、専門的な知識が欠かせません。
また、利用者やそのご家族とのコミュニケーション能力も重要です。
介護の現場では、想像力や柔軟性も求められます。
利用者の状態に合わせた対応をするには、一人ひとりにしっかりと向き合う姿勢が必要です。
こうしたスキルや努力が求められる仕事を、「誰でもできる」と簡単に片づけるのは誤解です。
「やめとけ」と言われても続けたい理由
介護職は、利用者の人生に寄り添い、その人らしい生活を支える仕事です。
利用者が笑顔になったり、「ありがとう」と言葉をかけてくれる瞬間は、他の仕事では得られない大きな喜びがあります。
確かに課題はありますが、その分やりがいも大きいのが介護職の特徴です。
また、将来的に自分や家族が介護を必要とする立場になる可能性を考えると、介護職の存在がいかに重要かが分かります。
誰かに「やめとけ」と言われても、それ以上にこの仕事が持つ意義を感じられるからこそ、続けたいと思うのです。
介護業界が抱える課題とその解決に向けて
介護職が不人気である理由の一つに、業界全体が抱える課題があります。
例えば、人手不足や職員同士の連携不足などです。
こうした課題を解決するには、職場環境の改善や待遇の向上が必要です。
さらに、介護職の魅力を発信する取り組みも求められています。
職員が楽しそうに働いている姿を見せることで、「介護の仕事って楽しそう」と感じてもらえるきっかけを作ることができるのではないでしょうか。
働き続けるために必要なサポートとは？
介護職を長く続けるためには、職員同士の支え合いや上司からのサポートが不可欠。
また、心理的なケアを受けられる仕組みや、休暇を取りやすい環境も大切です。
職場でのストレスを軽減し、モチベーションを保つためには、こうしたサポート体制が必要不可欠です。
まとめ
介護職は「やめとけ」と言われることが多い仕事かもしれません。
しかし、それは表面的なイメージだけで語られている部分も大きいです。
この仕事には苦労がある一方で、それ以上のやりがいと価値があります。
介護職を目指す人には、ぜひ自分の目で現場を見て、仕事の魅力を感じてほしいと思います。あなたならどう感じますか？
