一見異なる分野の資格を保有し、それぞれの知見を組み合わせることで業務の領域を広げることができるダブルライセンスですが「介護福祉士におすすめのダブルライセンスは?」と考えたことはありませんか?
今回は介護福祉士と関連性が高く、ダブルライセンスにおすすめのケアマネージャーについて解説していきます。
資格として介護福祉士とケアマネージャーの相性などを理解して、キャリアアップの参考にしていただければと思います。
介護福祉士におすすめダブルライセンス ケアマネージャー
一般的に「ケアマネージャー」や「ケアマネ」と呼ばれている職業ですが、正式名称は「介護支援専門員」です。
ケアマネージャーは「介護保険制度のスペシャリスト」のような職業で、介護保険サービスが必要な高齢者の支援が主な業務になります。
そんなケアマネージャーですが、介護福祉士を取得されている方のなかにはケアマネージャーの取得を目標にしている方は多いはずです。
というのも介護福祉士とケアマネージャが一緒に仕事をする機会は意外と多かったりします。
実際に私はケアマネージャーとの連絡業務や、会議に同席するといった感じでケアマネージャーと関わらない日はありません
このように介護福祉士とケアマネージャーは業務のなかで関わる頻度が高く、共通している業務の領域が多いことから、介護福祉士のダブルライセンスとして相性が良い資格だといえます。
ではここからは、介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスの相性が良い具体的な理由をご紹介していきたいと思います。
介護福祉士とケアマネージャーが相性が良い理由
とても相性が良い介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスですが、実際にどのような利点があるのでしょうか?
相性が良い理由は次のとおりです。
・ほかの介護福祉士との差別化
・物事を多角的な視点で捉えることができる
・仕事の選択肢が広がる
・市場価値が上がる
・圧倒的に転職が有利になる
それぞれ順番に解説していきます。
ほかの介護福祉士との差別化
ひとつの資格で得た経験や知識だけでは仕事の領域が限られてしまい、その他大勢の介護福祉士と変わりのない人材となってしまいます。
しかし介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスを取得することで、ほかの介護福祉士とは違う価値を持った人材になれるといえるでしょう。
ダブルライセンスを取得することでさまざまな知識やスキルを得ることができるため、今までよりも実務をスムーズにおこなうことができるようになります
さらには仕事の領域を広げることができるのでほかの介護士と差別化を図ることになり、結果的にそれがあなたの強みになるでしょう。
物事を多角的な視点で捉えることができる
介護福祉士とケアマネージャは具体的な仕事内容はまったく違う職業ですが、高齢者を支えることが目的という点では同じだといえます。
介護福祉士がケアマネージャを取得することで、今まで気づかなかったことに気づくことができるようになったり、利用者さんに対して新しいアプローチができるようになるというように、同じ物事を多角的に考えることができるようになります。
ひとつの視点で物事を捉えるよりも多角的に捉えられるほうが課題や問題点に気づきやすくなるので、結果的に業務全体の質の向上につながるといえるでしょう
仕事の選択肢が広がる
介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスを取得すれば、仕事の選択肢が広がります。
なぜなら介護福祉士として働くか、ケアマネージャーとして働くかを選ぶことができるようになるからです。
例えば介護福祉士しか取得していなければ、ケアマネージャーの仕事に就くことはできません。
しかし介護福祉士がケアマネージャの資格を取得していれば、自分の意思で職種を選択することができます。
このように自分の就きたい職業を選択できることも、ダブルライセンスの魅力のひとつだといえるでしょう。
市場価値が上がる
専門性の高い資格を組み合わせることで「市場価値の高い人材」として認められるようになります。
理由はどちらの資格も未経験では受験さえできない、いわゆる初心者が取得できる資格ではないからです。
つまりどちらの資格も取得するために実務経験や保有資格の必要条件があるので、ダブルライセンスとしての取得難易度は高いといえます
これは取得している人数が比較的少ないとも言い換えることができるので、介護事業所からは市場価値の高い人材として認められる可能性が高まるということです。
圧倒的に転職が有利になる
介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスを取得していると、圧倒的に転職が有利になります。
前述した内容と少し重複してしまいますが、取得している人数が少ないことから転職時の書類選考や面接の際にダブルライセンスが有利に働くことが期待できます。
ここで少し想像して頂きたいのですが、あなたが人事担当の立場なら次のどちらの人材を採用したいと考えるでしょうか?
A 保有資格が介護福祉士だけの人材
B 保有資格が介護福祉士とケアマネージャーの人材
私が人事担当なら、よほどの問題がない限り後者を採用するでしょう。
そしておそらく多くの人事担当が、後者の人材を採用するはずです。
このように介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスを取得することで、圧倒的に転職が有利になるといえます
以上の理由から、介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスはとても相性が良い資格だといえます。
そんな相性の良いふたつの資格ですが「とりあえずふたつとも取得しておくか…」のような考えで取得するのはオススメできません。
では実際にどのような方の取得がオススメなのかが気になりますよね。
こんな人は介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスがオススメ
介護福祉士は身体介護や夜勤業務があることから身体的に負担の大きい職業だといえます。
その一方でケアマネージャーの業務はケアプランの作成や利用者さんの介護サービスの利用調整といったデスクワークが多く、介護福祉士と比べて身体的な負担が少ないことが特徴です。
ですから「あと数十年も介護福祉士として働く自信がない…」「慢性的な腰痛に悩んでいる」といった方はケアマネージャーを取得することをオススメします。
またケアマネージャーの受験資格は2018年以降厳格化されており、受験するための要件が厳しくなってきています
今後もさらに受験する要件が厳しくなる可能性もあるので、現在受験する要件を満たしている方は早めに取得しておくのもオススメだといえるでしょう。
ダブルライセンスをオススメできない落とし穴とは
ここまでは介護福祉士とケアマネージャーのダブルライセンスをオススメしてきましたが、取得する際に注意しておくべきことがあります。
理由は給与が良くなると思いケアマネージャーを取得したものの、実際は介護福祉士の給与が、ケアマネよりも高い状況になる場合があるからです。
これは介護職のなかでも比較的給与水準の高いとされている、特養で働いていた介護福祉士がケアマネージャーになった際に良く起こる状況です。
「身体的に楽になって、給与も上がるなんてどう考えても最高ですよね」
このような考えでケアマネージャーになってしまうと、介護福祉士に戻る人が多いのが現実だといえます。
なので現在特養で勤務している介護福祉士の方が「ケアマネージャーになれば楽に稼げる」と考えている場合は、給与が下がる可能性があることを理解しておきましょう
まとめ
今回は介護福祉士におすすめのダブルライセンス「ケアマネージャー」について解説しました。
介護福祉士は資格単体でも十分に価値のあるものですが、ケアマネージャーを取得することによりさらに専門性が高まり、あなたの価値を底上げすることができます。
しかし「ケアマネージャーを取得すれば楽に稼げる」といったわけではなく、場合によっては給与が下がってしまう可能性があるので注意してくださいね。