要介護1・2 軽度

介護福祉士 資格証

 

要介護1・2の高齢者は「軽度者」と財務省が位置付けることに本当に驚きと怒りを感じます!

参考 財務省 社会保障より

 

現場にいる私たち介護福祉士から見れば、この判断はまったく実情に合っていません。

特に、一人暮らしの方や認知症を患っている方々は、要介護4・5に匹敵する困難な生活を送っていることも多いのです。

実際、所在不明になるリスクが高い方や、自力で食事を準備できない方の中には要介護1・2が多く含まれています。

これを単に「軽度」と切り捨てて良いのでしょうか?!

 

財務省の方針に対する疑問

 

今回、財務省が訪問介護や通所介護の報酬を下げる方針を示しました。

その理由は「人材や財源に限りがある」とのこと。

しかし、この表現はもっともらしいだけで、実際の現場の現状にはまるでそぐわないものです!

 

限られたリソースを理由に、支援を削減し、高齢者の生活基盤を揺るがせるような施策が取られることに、現場の人間として呆れざるを得ません。

「人材・財源に限りがある」という言葉の背後には、介護サービスを利用できる人を制限し、介護職員数を減らし、事業所を縮小するという狙いが見え隠れしています。

これが現実になれば、訪問介護の必要性が一層増し、負担が残された家族に重くのしかかることは明白でしょう。

 

 

 

訪問介護報酬削減の影響

 

要介護1・2の方が訪問介護の対象から外れることで、一体何が起こると思いますか?

 

まず、介護事業所が次々と経営難に陥り、事業を閉鎖するケースが増えると予想されます。

これにより、介護職員の仕事はますます不安定になり、人材の流出が加速します。

「報酬が減るのなら、続けられない」と話す同僚は少なくありません。

今後、質の高いケアを提供できる人材が減少し、介護業界全体が弱体化するのは避けられないでしょう。

 

さらに、家族や地域における介護負担も増加します。

介護保険料を支払いながらも、サービスを受けられない家庭が続出すれば、親の介護のために仕事を辞めざるを得ない人も増えるでしょう。

これが進めば、ヤングケアラーやダブルケアラーと呼ばれる若年層に多大な影響を与え、日本社会全体の労働力に悪影響を及ぼします。

 

 

 

支援削減は長期的なリスク

 

報酬削減によって訪問介護のサービスが減れば、介護保険制度の存在意義が薄れます。

結局、サービスが維持されなければ、介護保険に加入している意味がなくなり、不満が増大します。

「保険料を払っているのに、必要なサービスが利用できない」との声は当然上がるでしょう。

この状況下で、介護職員は現場で多くの矛盾に直面します。

たとえ要介護1・2であっても、認知症や身体の不調により、自立して生活できない方々はたくさんいます。

現実を無視した政策に基づき、支援の手が削られることがあれば、利用者とその家族、さらには地域社会全体に計り知れないダメージを与えることになります。

 

 

 

財務省の「限られた財源」に対する考え方

 

財務省は「限られた財源」の中で政策を決定するとしていますが、その実態はどうでしょうか。

内部留保や他の社会保障に使われるべき予算の行方に透明性が欠けていると指摘する声も少なくありません。

もし、保険料や税金を徴収しているのであれば、それは高齢者を支えるために活用されるべきです。

 

財源が足りないと言いながらも、必要な支援を削減し、介護の必要な人々を切り捨てることが許されるのでしょうか。

 

 

 

介護業界への深刻な影響

 

介護業界では、訪問介護や通所介護の報酬が削減されると、事業所は経営を維持することが難しくなり、職員に適正な報酬を支払うことも困難になります。

これは人材不足を加速させる要因となり、介護の質が低下する原因となります。

介護職員は、「報酬が低く、仕事がきつい」と感じることで他業種への転職を考えるようになり、現場にとっては死活問題です。

加えて、事業所の閉鎖が増えれば、訪問介護を必要としている多くの高齢者が支援を受けられなくなるでしょう。

これが進行すれば、在宅での生活が困難になり、入所施設への移行を強いられるケースが増えます。

 

しかし、特養やケアハウスといった入所施設もすでに定員が限られ、入所希望者が溢れているのが現状。

つまり、行き場を失った高齢者が増加し、社会全体の福祉体制が危機にさらされます。

 

 

 

政策立案者へ言いたいこと!

 

政策立案者には、机上の理論だけでなく、現実の現場をしっかりと理解してほしいと切実に願います。

現場の介護職員は、日々高齢者とその家族の支援に全力を尽くしているのです。

 

訪問介護や通所介護が「軽度者」のために不要だという考えは、現場の実情を全く反映していません。

私たちは、「要介護1・2は軽度だから大丈夫」という発想に本当に呆れています。

現場では、「軽度」だからこそ見過ごせない部分も多く、早期のサポートが重要です。

 

無理やりに報酬を引き下げ、ヘルパーやケアマネージャーの数を減らすことが、果たして高齢者や社会にとって本当に有益なのでしょうか。

 

 

 

まとめ

 

財務省が打ち出した訪問介護や通所介護の報酬削減は、現場で働く私たち介護福祉士にとってはまさに衝撃です。

この決定は、単なる数字の問題ではなく、多くの高齢者とその家族、そして介護業界全体に深刻な影響を及ぼすことになります。

報酬削減によって短期的には予算が抑えられるかもしれませんが、その結果、長期的な社会保障や福祉体制の崩壊に繋がりかねません。

介護現場で働く者として、財務省や政策立案者に声を届けたいのは、現実の声をもっと聞いてほしいということです。

要介護1・2の高齢者が本当に必要な支援を受けられる社会を守り続けるため、現場の実情を理解した上での政策変更を望みます。