介護業界で転職をするうえで重要なのが、介護施設の見学です。
将来働くことになるかもしれない介護施設を見学することで、面接時の説明だけでは分からない職場の雰囲気や利用者の様子、施設の衛生面などを知る機会になります。
今記事では、転職前に介護施設を見学するポイントやメリット、見学時の服装とマナーについても紹介します。
介護施設を見学する時にチェックするポイント
介護施設を見学する際は、職員や利用者に関することなど、いくつかのポイントを押さえておくことで無駄なく見て回ることができ、転職後のギャップを防ぐことにつながります。
そこで、見学する際のポイントを3つ紹介します。
職員をチェック
まず確認したいのが職員の働き方です。
・言葉遣い
・利用者への対応
・家族への対応
上記のような対応をみることで、その施設全体の雰囲気を掴むことができます。
どんなに明るく新しい施設であっても、職員の言葉遣いが乱れていたり、暗い表情で働いていたりする場合はどこかに問題があり働きにくい可能性があります
また、見学中にすれ違った職員が表情よく挨拶をしてくれるかどうかも、判断材料になります。
介護施設はどうしても施設によっての決まりや風土のようなものがあります。
現場の職員はそれを当たり前の業務としている場合が多いものの、違和感を感じる部分があるかもしれません。
その他にも、利用者やその家族に対して横柄な態度で接している場面に遭遇したら要注意です。
実際に自分が施設で働いている様子をイメージしながら見学しましょう。
利用者をチェック
利用者の表情や、職員との関わっている様子も重要です。
介護施設の見学を就職前におこなう場合、職員と利用者さんの人数が適切かどうか意識してみましょう。
職員と利用者の人数のバランスが悪いと、職員の忙しさに直結し、十分な支援が行き届いていない可能性があります
また、たとえ人数が十分にみえても支援が困難で十分な介護ができていないことも考えられます。
現場にあった人員配置がなされており、利用者の表情は良いかといった点も注意しながら見学しましょう。
衛生状態をチェック
介護施設が衛生的かどうかは、働くうえでの重要なポイント
1日の大半を職場で過ごすことになり、掃除が行き渡っているか、設備は過度に古くなっていないかといった点を確認しましょう。
とくにエントランスや食堂、トイレなどの清掃が行き届いていなかったり、共有スペースが整理整頓されていなかったりする施設は清掃に手が回っていない可能性が高いといえます。
このように、清掃面も注意してみましょう。
介護施設の見学のメリットは意外と多い
そもそも介護施設の見学って必要?と感じる方もいるかもしれませんが、百聞は一見にしかずという言葉もあるように、働く前に職場を見ておくことはとても重要です。
場合によってはこれから何年、何十年と働くことになる場所なので自分の目で実際に見ておいて損はありません。施設見学のメリットをみていきましょう。
施設の雰囲気がわかる
介護施設見学のメリットは何といっても肌で職場の雰囲気を感じ取ることができる点です
求人情報やホームページ、面接だけでは施設全体の様子を知ることは至難の業です。
面接では、労働条件や施設として目指すものなどの情報は知ることができますが、実際に働くことになる職場の様子を聞くだけでイメージするのは限界があります。
将来の職場が自分に合っているか事前に確認できる点は大きなメリットといえます。
労働環境がわかる
働く環境の確認も介護施設見学のメリットの1つです。
実際に見ることで職員がどのような職場環境で働いているかわかってきます。
・サービス残業などをしていないか
・常に焦って支援していないか
・休憩は適切にとれているか
といった点を、働いてる自分をイメージしながらみることができます。
ハードワークになっていないか勤務状況を見ておくと、働き始めた後のギャップを防ぐことができます
見学するときに気を付けるべき服装とマナーとは
見学することは、見学者が職場の様子を知るだけでなく、介護施設の立場から見て「この人はここで働けそうか」ということをはかる機会であることも忘れてはいけません。
見学する際は、服装やマナーで印象が悪くならないよう注意することが大切です
施設見学時の服装
介護施設の見学する時の服装に特別な決まりはないものの、就職希望者である以上フォーマルな服装が無難です。
面接後であれば、その流れでスーツのまま施設を見学して問題ありません。
面接日と施設見学日が異なる場合、見学時にスーツである必要はありませんが、清潔な印象を与えるオフィスカジュアルを心掛けましょう。
男性の場合は襟付きのシャツにスラックス、女性ならブラウスにスカートまたはスラックスといった服装が一般的です。
注意点として、施設によってはダークな色合いの服装は喪服を連想させるためNGな場合があります
スーツを含め服装な黒色系のものは避けるようにしましょう。
常に就職活動の場であることを意識することが重要です。
施設見学のマナー
施設見学のマナーも重要で、申し込み方から見学中の挨拶や笑顔といった態度など気をつける点があります。
見学の申し込み方法は介護施設によって異なります。
主な方法は次の4つです。
・電話で直接依頼
・ウェブサイトから問い合わせ
・面接時にお願いする
・転職支援サービス経由
ホームページなどで、施設見学を希望する方は電話してほしい、ウェブサイトから申し込んでほしい、といった指示がある場合は従うようにしましょう。
とくに指定がない場合は、面接時の日程を決めるタイミングや、転職サービスを利用している場合は担当者に見学が可能か確認してみましょう。
多くの場合で機会を設けてくれるはずです。
また、実際の施設見学中においても、常に見られている意識をしておくことが大切です。
施設側は、見学をしている間の態度や様子をさりげなく観察しています。
見学者が施設を見極めようとしているのと同様に、施設側も見学者を見極めようとしていることを念頭におくようにしましょう
例えば
・利用者や職員ととすれ違ったとき、明るく笑顔で挨拶しているか
・積極的に質問しているか
といった点は大切です。
施設見学で気を抜いて評価を落としてしまう可能性もあるので、気を引き締めて臨みましょう。
転職前に見学ができない場合は?
近年では、開放的な介護施設が増えているものの、場合によっては職場見学を実施していない施設もあるかもしれません。
そこで、見学ができない場合の注意点を紹介します。
さりげなく見学できない理由を伺う
見学できない場合、可能であればその理由を聞くようにしましょう。
・感染症対策として見学を実施していない
・人の出入りが苦手な利用者が多く見学を遠慮している
といったような配慮から見学ができないのか、ほかに見せられない事情があるのか知る機会になります。
外部にオープンにできない理由を尋ね、その返答で施設の考え方や姿勢を知る機会にすることができます
見学で知りたかったことを面接時に質問する
見学できない施設を、こちらの希望だけで無理にお願いするわけにはいきません。
そのような時は、自分が「どうしても知っておきたい点」を絞っておき、いつでも質問しておけるようにしておきましょう。
・職場の雰囲気はどうか
・どのような利用者がいらっしゃるか
・支援で心掛けていることは何か
といったように自分にとって事前に知っておきたいことを面接などのタイミングで聞いてみましょう。
注意点として、働くことになるかもしれない職場なので聞きたいことは山ほどあると思いますが、その中でのもいくつかに絞っておくことです
1つか多くても3つの質問から、見学で知りたかった重視するポイントを聞いてみましょう。
まとめ
転職前に介護施設を見学するポイントやメリット、見学時の服装とマナーについても紹介しました。
今記事を通して介護施設の見学の重要さやポイントがわかったのではないでしょうか。
面接時はお互いに良い部分を出すことが多く、施設の本当の部分を知るには実際の現場を見学することがもっとも有効な手段です。
めんどうと感じるかもしれませんが、働き始める前に職場の雰囲気を知ることができるメリットは非常に大きいです。
転職を検討した先が見学可能な介護施設であれば、積極的に活用してみることをおすすめします。