ケアマネ 兼務 してはいけない

介護福祉士 資格証

 

こんにちは、介護福祉士みきこです。

 

私は介護福祉士として働いていますが、現場で知り合うケアマネージャー(以下ケアマネ)の知人たちからよく聞くのが、「兼務」という働き方の大変さについてです。

特にAさん(訪問系ケアマネとして現在専従で働いている方)とBさん(兼務経験者で現在は主任ケアマネを目指している方)からの話は、ケアマネを目指す方にとって非常に参考になると思います。

今回は、この2人の話を交えながら、兼務の問題点や専従の大切さについてお話しします。

 

兼務とは?その働き方の現実

 

まず、「兼務」とは何かを簡単に説明します。

ケアマネの仕事に加え、現場の介護業務や送迎業務、場合によっては事務作業など、複数の役割を同時にこなす働き方を指します。

Aさんの話によると、兼務という働き方は「職場が人手不足の中で、ケアマネに他の仕事を押し付けるようなもの」だと言います。

特に小規模な事業所では、ケアマネ本来の業務以外にも負担がかかるケースが多いようです。

 

Aさん自身、ケアマネ試験に合格した後、最初に勤務した事業所で兼務を経験しましたが、わずか数カ月で退職する結果になったそうです。

その理由は、「心身の負担が大きすぎて仕事に集中できなかった」からです。

 

 

 

Aさんの体験:「プラン作成に集中できない」

 

Aさんが兼務で苦労したのは、ケアマネの本来の業務であるケアプラン作成に集中できなかったことです。

ある日のスケジュールを例にすると、午前中はデイサービスの介護業務、昼過ぎから往診の送迎、そして夕方になってからようやくケアプランの作成に取り掛かるという忙しさだったそうです。

結果として、利用者さんとの面談やアセスメントが不十分になり、プランの質にも影響が出てしまいました。

「利用者さんにとって最善のプランを作るためには、時間と集中力が必要。兼務ではそれが叶わない」とAさんは語ります。

 

 

 

Bさんの経験:「事故のリスクと責任の重さ」

 

一方、Bさんは兼務を経験した中で、最も恐怖を感じたのが「送迎業務」による事故のリスクだったそうです。

往診のための送迎中にヒヤリとする場面が何度もあり、「万が一事故が起きたら、事業所は補償してくれるのか」と不安に感じていました。

 

さらに、兼務で仕事量が増える中で、過労が原因でミスを犯してしまう危険性も高まります。

Bさんは「ケアマネの仕事は利用者さんの生活を支える責任の重い仕事。

にもかかわらず、兼務だとその責任を果たせる状態ではなくなる」と語ります。

 

特に人手不足の職場では、ケアマネが「便利な存在」として扱われることがあり、それがさらに負担を増やす原因になるのだとか。

 

 

 

専従で働くことの重要性

 

AさんもBさんも、現在は「専従」で働ける職場に転職し、それぞれケアマネとしてのスキルを伸ばしています。

専従で働くことで、利用者さん一人ひとりにしっかり向き合うことができ、ケアプランの質も格段に向上しました。

特にAさんは、「専従だからこそ、利用者さんの家族との細かな調整や、他の専門職との連携がスムーズにできるようになった」と話していました。

 

ケアマネ業務は調整力や柔軟性が求められる仕事です。

それを実現するには、専従であることが必要不可欠だと強調していました。

 

 

 

主任ケアマネを目指すなら専従が必須

 

Bさんは将来、主任ケアマネになることを目指しています。

そのためには、専従で5年間働くことが必要です。

兼務をしていると、この条件を満たすことが難しくなります。

 

さらに、兼務では主任ケアマネに必要な実務経験を積むことも十分にはできません。

Bさんは「専従で働いて、利用者さんの信頼を得る経験を積むことが、長期的に見ても重要だと感じている」と言っていました。

 

主任ケアマネを目指す方にとっても、専従を選ぶことは大切なポイントです。

 

 

 

転職を検討するならタイミングが重要

 

もし現在、兼務を避けられない職場にいる場合、転職を検討するのも一つの方法です。

AさんもBさんも、より良い環境を求めて転職を経験しています。

 

特に、退職者の後任ポジションを狙うと、スムーズに専従での仕事を始められることが多いようです。

ただし、職場の環境や働き方については事前によく調べておく必要があります。

 

 

 

ケアマネ不足が進む現状をどう捉えるか

 

現在の介護業界では、ケアマネ不足が大きな問題となっています。

そのため、専従で働ける職場を探すチャンスは増えていると考えられます。

ただし、Bさんによれば「職場によっては、専従といいつつ実際には兼務のような状況になっていることもある」ため、慎重に判断する必要があります。

 

 

 

兼務をどうしても選ぶ場合の注意点

 

どうしても兼務を選ぶ場合は、職場が兼務に対応した適切な環境を整えているかを確認することが重要です。

例えば、兼務の範囲や負担が明確に定められていること、事故やトラブルが起きた場合の補償が整っていることなどがポイントになります。

 

Bさんは「自分が兼務を経験して感じたのは、ほとんどの職場がそこまでしっかりした体制を整えていないこと」だと言っていました。

この点には十分注意が必要です。

 

 

 

自分の未来を守る働き方を選ぶ

 

最後にお伝えしたいのは、あなた自身の健康と未来を守る働き方を選ぶということです。

AさんもBさんも、専従で働ける環境に移ったことで、利用者さんに満足のいく支援を提供できるようになり、自分自身も健康を取り戻すことができました。

ケアマネとしての道を歩むなら、まずは専従で経験を積むことがベストな選択だと2人は口を揃えて言っています。

 

これからの働き方について、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

まとめ

 

ケアマネの「兼務」は、多くの場合、デメリットが多く、長期的なキャリアにとっても障害となる働き方です。

専従で働くことで、ケアマネとしてのスキルを高めるだけでなく、利用者さんに寄り添った支援を提供することができます。

AさんとBさんの経験を通じて、兼務の問題点をしっかり理解し、自分にとって最良の選択をしていただければと思います。