老人ホームへの入居は、ご本人はもちろん家族にとっても重要な決め事の1つです。
将来の生活スタイルや費用面といったように考えなければいけないことは山積しています。
入居するにあたって、全員が納得できればよいですがそうで無いこともしばしば…。
私も幾度となく入居してくる方を見ていて、思う事もあります。
そんな沢山の入居してくる方が、安心して老人ホームで生活できる方法について話していきます。
本記事では、老人ホームに無理矢理入居は避けたい理由と、本人が嫌がる時の対処方法、入居に関する相談ができる所について要点を解説していきます。
老人ホームに無理矢理入居させる事はどうなのか?
考えてみてください!
あなたが高齢者になって入居する場合の事を・・
それを感じながら、今回の私の記事を読んでいただければと思います
さっそく、老人ホームへの入居を本人の気持ちを無視して無理矢理入居させるとどうなってしまうのか見ていきましょう。
無理矢理入居させるのはトラブルのもと
本人の意志に反して老人ホームの入居を決めるとトラブルのもとになるリスクが高いです!
本人が入居に納得していない状態のままだと支援拒否が起こり、食事や入浴といった身体介護、医療的ケアなど適切な対応ができず、状態が悪化してしまうという可能性も考えられます。
せっかく決まった老人ホームなのに、十分な支援ができず元の家に出戻りになってしまうといったこともあります。
このように、無理矢理入居を決めてしまうのは、本人だけでなく家族や介護する職員などに負荷がかかってしまう可能性がありますので注意しましょう。
老人ホームの入居を嫌がる人は以外と多い
実は老人ホームへの入居を嫌がる高齢者は少なくありません。
・家族から見放されたのではないか
・住み慣れた家を離れることへの抵抗感
・家族と離れて生活しなければならない
・老人ホーム内の人間関係に対する不安
といったように、自分に置き換えてみると、共感できるものも多いのではないでしょうか。
また、老人ホームに対する印象も大きな原因になっているケースもあります。
依然として「老人ホームは姥捨て山」というイメージをお持ちの方が一定数いるようで、暗い雰囲気の所というイメージを持っている方は年代性別を問わず意外と多いものです
このようなマイナスなイメージは、現代の老人ホームの実像を知らないことも大きな要因で、現在は、綺麗な外観で、明るい雰囲気の施設がたくさんあります。
また、麻雀ができたり温泉が併設されているなどユニークな施設も増えてきています。
マイナスなイメージをお持ちの方は気になる施設を見学すると印象が180度変わるかもしれません。
本人が老人ホームの入居を拒否した時の対処方法
それでは、本人が老人ホームへの入居を拒否したときの対処法を紹介します。
読んでいくと、当たり前の様なことかもしれませんが、入居する本人にとっては大切な事なので、覚えておきましょう。
本人の気持ちを聞いてみよう
これは基本と言えますし、本当に大事な部分になるのですが、まず最初におこないたいのが、実際に老人ホームに移ることを検討している本人の気持ちを傾聴することです
本人と何が嫌なのかを一つひとつじっくり聞き、解決できることはないか方法を探っていきましょう。
例えば、老人ホームが自分に合うか不安と感じているようなら、パンフレットを取り寄せ、一度見学するなど実際に見てみると印象が変わるかもしれません。
他にも、「老人ホームに入っても定期的に家に帰りたい」という希望があれば、家から近く帰りやすい場所を中心に探すといった方法をとることもできます。
このように、老人ホームへ移ることに抵抗がある方の意見を聞くことで見えてくることもたくさんあるのです。
話を聞く中で解消できることがあれば時間をかけて説明し「この施設だったら抱いていた心配はない」と思ってもらえないか考えてみましょう。
案外、勘違いだった、思い過ごしだった、ということもあるかもしれません。
実際に老人ホームを見ると気持ちが変わる
先ほども紹介しましたが、老人ホームにマイナスなイメージをお持ちの方も一定数います。
しかし、実際に老人ホームを見てみると気持ちが前向きになる方も多いです。
・こんなにキレイな施設とは思わなかった
・職員の雰囲気が良かった
・この距離なら定期的に家に帰れそう
といったように、不安な点を解消することができれば入居がスムーズに進むこともあります。
人間はどうしても先入観を持っている生き物です。
老人ホームに対してネガティブなイメージをお持ちの方も、日々進化している高齢介護を見ることで印象が大きく変わる事が本当に多い場面があります
ほとんどの老人ホームは見学することが可能ですが、近年は感染症対策で特別な対応をしているところもあります。
見学する場合は、施設に問い合わせるなどして施設見学が可能かどうか確認してみましょう。
周囲に相談してみると良い解決策も
入居に際し、家族間だけの話し合いでは難しい場合は専門機関に相談してみるという方法もあります。
老人ホームの入居相談を受け付けてくれる主な窓口は、以下になります。
・高齢者総合相談センター
・福祉事務所
・担当のケアマネージャー
・地域包括支援センター
それぞれ性格が異なりますので、1つずつくわしく解説します。
高齢者総合相談センター
高齢者総合相談センターとはシルバー110番とも呼ばれ、高齢者やその家族が抱えるさまざまな悩みの相談が可能な施設です
各都道府県に1ヵ所ずつ設置されており、電話の場合は「#8080」とダイヤルすれば繋がり、相談料は無料です。
注意点として、公共施設なので「ここの施設がおすすめです」といったように具体的な紹介はできません。また、地域外のことも案内が難しい可能性があるので注意しましょう。
福祉事務所
福祉事務所は社会福祉法に基づいて、都道府県及び市(特別区を含む)に設置が義務付けられている第一線の社会福祉行政機関です。
その業務の1つとして、老人ホームの入居相談も行っています。
こちらも無料で入居相談が可能です。
福祉事務所はその他にも
・生活保護の相談
・知的障害者の福祉相談
・母子福祉資金の貸付
など、福祉に関するさまざまなサービスを提供しています。
こちらも、公共施設という立場上「ここの施設がおすすめです」といったように具体的な紹介はできません。
また、地域外のことも案内が難しい可能性があるので注意しましょう。
担当のケアマネージャー
担当のケアマネージャーがいる場合、老人ホーム入居に関する相談をすることができます
ケアマネージャーの主な業務は、利用者が介護保険サービスを適切に受ける際に必要となるケアプランを作成することです。
しかしその他にも、利用者と自治体や各施設との間に立って調整をしたり、利用者の一番身近に立ち、入居相談含め様々な相談にのってくれます。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、市町村などの自治体が設置している施設で、介護をはじめ福祉・医療など高齢者とその家族を総合的にサポートしています。
どこへ入居相談してよいか分からない場合は、まずはここに相談してみることを検討してもよいかもしれません。
このように、老人ホーム入居に関して相談できる機関はさまざまです。相談しやすい、本人やご家族に合ったところをみつけてみてください
まとめ
人が嫌がる時の対処方法、入居相談できる機関について紹介しました。
本人の意志を無視して無理矢理老人ホームに入居しても、本人はもちろん家族の精神的負担も大きいものです。
新しい環境に飛び込むのは、年齢に関係なく不安を感じずにはいられません。もし住み慣れた自宅から遠く離れるとなると、尚更離れたくないと感じるのも無理はないでしょう。
家族は一番近い身内です。無理矢理老人ホームを決めるのではなく、まずはお互いの気持を確認し合うことが大切なのかもしれません。
本記事をきっかけによい老人ホーム探しにつながることを願っています。