介護福祉士の試験に挑む際、「実務経験コース」を選択する方も多いのではないでしょうか。
その際に必要になるのが実務経験証明書という書類が必要で、提出しなければ受験することができません。
実務経験証明書は実務経験を証明するもので、実務と認められた施設、事業所に発行してもらう必要があります。
今記事では、実務経験証明書とはどのようなものか、必要な場合や準備をする方法、注意点を紹介します。
1 介護福祉士の実務経験証明書とは
実務経験証明書のサンプルは上記のものになります。
介護福祉士試験における実務経験証明書とは、実務経験を通して基本的なスキルがあると証明する書類です。
いくつかある受験資格コースの中でも「実務経験コース」で試験を受ける際に必ず必要になるもので、実務経験証明書がなければ受験資格を手に入れることができません。
つまり、実務経験証明書は実務経験コースで介護福祉士を受験する際に必須となる書類といえます
実務経験証明書の様式は以下からダウンロードできます。
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/youshiki_jitsumu.html
介護福祉士の試験に実務経験証明書が必要?!
介護福祉士試験の受験資格を手に入れるには、数あるルートの中から自分に合った条件を満たす必要があります。
以下は介護福祉士を取得するまでのルート図になります。
実務経験3年以上を証明するために必要
実務経験証明書が必要な実務経験コースは次のいずれかを満たす必要があります。
・介護の実務経験3年以上+実務者研修修了
・介護の実務経験3年以上+介護職員基礎研修(※)
※介護職員基礎研修は2012年度に廃止されています。
養成施設や福祉系高校を卒業していない場合は、必然的に実務経験ルートでの資格取得を目指すことになります。
その際に、介護の実務経験を3年以上携わった証明として実務経験証明書の提出が必要になります
従業期間は3年(1095日)かつ540日以上従事したか
具体的な実務経験は「対象となる施設(事業)および職種での従業期間3年(1095日)以上、かつ従事日時540日以上」と定義されています。
つまり、介護関係の事業所や施設に3年以上在籍し、540日以上働くことで受験資格を得られます。
実務経験ルートで受験を検討する場合は、まず3年の実務経験を積むことから始めましょう。
3 実務経験証明書の準備の仕方
実務経験証明書の準備方法は次の手順は以下のとおりです。
①3年以上の実務経験を重ねる
②受験の手引を請求する
③働いていた職場で発行を依頼
④受験の受付期間中に申し込む
3年以上の実務経験を重ねる
実務経験が3年に満たない場合は、まず実務経験の要件を満たす必要があります。
介護福祉士試験の実務として認められる職種に従事し、実務経験を重ねましょう。
受験の手引を請求する
実務経験3年以上などの要件を満たすことで介護福祉士の受験資格を手に入れることができます
いざ試験の申し込みをする際は、まず「受験の手引」を取り寄せる必要があります。
実務経験証明書も受験の手引に含まれているので、確実に取り寄せましょう。
足りなくなってしまった場合は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのWebサイトからダウンロードすることも可能です。
以下のHPから取り寄せることができますが、取り寄せ期間は決まっているので注意しましょう。
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
働いていた職場で発行を依頼
実務経験証明書は、働いている施設や事業所が発行することになっています。
また、実務経験証明書を発行する権限が与えられているのは理事長や施設長などの代表者だけです。
自分だけでは作成することができない点に注意しましょう
職場に実務経験証明書を渡すタイミングが申込期限ギリギリになってしまうと、申込み期間内に間に合わない可能性があります。
職場に依頼する際は余裕を持ってお願いしましょう。
受験の受付期間中に申し込む
介護福祉士は年に1度のみです。
もし申込期限を逃してしまうと、1年待つことになってしまいます。
期間が1年空いてしまうと、試験に対してのモチベーションが下がるなどデメリットが多くあります。
受付期間は毎年違いますが、おおむね年8月中旬~9月中旬までの1ヶ月間の場合が多いようです。
とはいえ、変更の可能性もあるので公式HPはこまめに確認するようにしましょう。
注意して!実務経験証明書で気をつけたいこと
実務経験コースの場合、実務経験証明書と一緒に「介護職員実務者研修の修了」も要件になっていること、事業所を掛け持ちした場合は従事日数内訳証明書も必要となるので、合わせて確認しましょう。
介護職員実務者研修の修了も必要
介護福祉士の受験資格を手に入れるには、実務経験3年以上のほかにも実務者研修修了の要件が必要
介護職員実務者研修は、20科目(450時間)の研修が必要になり、すぐに取得できるわけではありません。
スムーズに受験資格を手に入れるには、実務者研修を受け、修了しなければいけないことを忘れないようにしましょう。
また、似たような資格に初任者研修というものもあるので、混合しないよう注意が必要です。
事業所掛け持ちした場合は従事日数内訳証明書も必要
同じ期間で複数の事業所を掛け持ちして働いていた場合、「従事日数内訳証明書」も必要になります。
各事業所の代表者などに記入してもらう必要があるので、証明が必要な期間を伝え、余裕を持って作成をお願いしましょう。
まとめ
実務経験証明書とはどのようなものか、必要な場合、準備をする方法を紹介しました。
介護福祉士は福祉国家資格3つのうちの1つで、キャリアアップなど取得したときのメリットが大きいです。
福祉系の学校を出ていない場合でも、実務経験コースで受験資格が手に入るため、多くの方は本コースで介護福祉士を取得しています。
将来、実務経験ルートで介護福祉士取得を視野に入れている方、まずは実務経験3年を目指しましょう。
また、すでに実務経験の要件を満たしている方は、積極的に介護福祉士を目指してみてはいかがでしょうか。