介護資格の1つである介護福祉士。
高卒で国家資格である介護福祉士になるにはどうしたら良いか知りたい方も多いと思います。
介護福祉士になるにあたり「大卒でなければならない」などの要件はありません。
今記事では高卒で介護福祉士をとる方法、最短で取得する方法やおすすめルートを紹介します。
高卒で介護福祉士の取得を視野に入れている方、ぜひ最後までご覧ください。
高卒で介護福祉士になるには
最初に高卒から介護福祉士になるにはどうすればいいのでしょうか。
未経験から目指す場合、「実務経験」と「養成施設」の2つのルートに分かれています
それぞれ詳しく紹介していきますので、どのルートが自分にとって一番良いか検討してみてくださいね。
実務経験ルート
学歴に関係なく、介護福祉士を目指せるルートです。
ちなみに中卒でもこのルートの対象になります。
①3年以上の実務経験 + 実務者研修の修了※1
②3年以上の実務経験 + 介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修の修了※2
実務経験ルートの場合この2パターンのどちらかを満たせば介護福祉士国家試験を受験することができ、合格することで資格を取得することができます。
ここでいう3年以上の実務経験とは「従業期間3年(1095日以上)かつ従事日数540日以上」を満たしている必要があります
実務経験の範囲は厚生省社会局長、厚生省児童家庭局長通知等により定められてた範囲で、高齢者・児童、障害者分野などが該当します。
更に、3年の実務経験に加え、2017年から「実務者研修」の受講が必須となり、実務経験だけでは試験を受けることができません。
※1 実務者研修って?
基本的な介護能力の修得を目的とした資格で、以前あったホームヘルパー1級と同等の資格として位置づけられている研修です。
受講科目は20科目、受講期間は6ヶ月間です。
しかし「介護職員初任者研修」という別の資格を既に取得していれば、共通する9科目が免除され、2ヶ月程度で取得することができます。
試験などはないので受講することで取得することができます。
※2 喀痰(かくたん)吸引等研修って?
介護職員が、50時間の講義の研修の修了によって、喀痰吸引などの行為が認められる研修です。
本研修を受けた介護職員は、医療や看護との連携による安全確保が図られているなどの条件のもと「たんの吸引」などの行為を実施することができます。
養成施設ルートの場合
2つ目のルートで、この「養成施設ルート」は高卒以上の方なら誰でも目指すことができるルートです。
要件は介護福祉士養成施設を通い卒業することで、高卒の場合2年以上の介護福祉士養成施設に通う必要があります。
ちなみに福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設の卒業者は最短1年で養成施設を卒業することができます。
実務経験ルートと大きく違う点は、令和8年度までに養成施設卒業すれば「国家試験に不合格であっても5年間は暫定的に資格を取得している扱い」になることです
この5年間の間に介護の実務経験を5年(継続勤務に限る)従事するか、国家試験に合格することができれば、期限が無くなり介護福祉士を名乗ることができます。
先程紹介した「実務経験ルート」は国家試験に合格しなければ取得できないので、この5年間の猶予は大きなアドバンテージといえるでしょう。
その他の受験資格ルート
介護福祉士はその他にも福祉系の高校に通う「福祉系高校ルート」と外国人向けの「経済連携協定ルート」があります。
既に福祉系の高校に通い卒業されている方は「福祉系高校ルート」から介護福祉士を目指すルートも用意されています。
今回は一般の高卒の方に焦点を当てているの詳細は省略しますが、既に福祉系の高校を卒業されている方の場合は受験資格があるか一度確認してみることをおすすめします。
高卒が最短で介護士になるには?
続いて、高卒の場合、最短で介護福祉士になるにはどのような方法があるのか紹介します。
最短で介護福祉士になるには先程紹介した「養成施設」に2年間通う養成施設ルートになります。
卒業することができれば、仮にすぐに合格できなくても5年間は介護福祉士を名乗ることができます。
更に、5年間実務経験を積むことで、現場で働き給料を得ながら、かつ試験を受けずに介護福祉士になることができます
介護業界に強い関心があり、介護福祉士を本格的に目指す場合は養成施設コースをおすすめします
社会人におすすめのコース
紹介した通り、最短で介護福祉士を取得するには2年間養成施設に通う必要があります。
しかし、既に社会人の方で
・仕事があり、2年間養成施設に通うのは難しい
・せっかく資格をとっても介護の仕事を続けられるか不安
という方もいると思います。
そこでおすすめしたいのが「3年以上の実務経験 + 実務者研修の修了」で受験資格を目指すルートです。
このルートのメリットは
・働きながら(給料を受け取りながら)受験資格を得ることができる
・介護の仕事に従事することで介護業界で続けていけるのか資格をとる前に確認できる
点が挙げられます。
前者は対象の実務で働くことで給料をもらいながら3年間の実務経験という条件をクリアすることができます。
「実務者研修」という資格が必要なりますが、試験などはなく受講を受けるだけなので難易度は低めといえます。
そして後者も、大きなおすすめポイントで「せっかく苦労して養成施設に通い資格をとったのに仕事が合わなかった」という事態を防ぐことができます。
時間とお金をかけて資格をとる前に自分の介護業界の適正があるのかはかる意味でも実務経験ルートはおすすめの受験方法です
高卒より大卒の方が有利?
高卒より大卒の方が資格をとるには有利と思われる方も多いかもしれません。
結論からいうと福祉系大学などを卒業している方で養成施設ルートで所得を目指す場合は、学ぶ期間が1年間と短くなり有利にはたらきます。
しかし、それ以外の大学学部では介護福祉士を目指すにあたり、有利な点はありません。
むしろ、年齢が若い時に資格を目指すことが出来る高卒の方が就職やその後のキャリアを考えると有利となる部分が多々あります
また、介護の世界では学歴がキャリアに影響する可能性が少ない業界でもあります。
確かに、福祉系の大学など専門の学校を卒業した方に比べ、介護の知識不足は否めません。
正しい知識は利用者の命を守り、利用者の生活をより豊かにしていく上でも不可欠な要素です。
しかし、知識は働きながら学んでいくことは充分可能♪
実際に未経験から介護の世界に転職し、知識と経験を重ね活躍さている方は多くいます。
利用者や職場の仲間と様々な部分で関わることになる介護業界では人との接し方が重要な場面も多いです。
あなたが魅力ある方に成長することで活躍の場は大いにあります。
このように「高卒だしそれだけでハンデがある」と思う必要はありません。
介護福祉士の資格に興味があるようなら挑戦してみることをおすすめします。
まとめ
今回は高卒の方にスポットを当て介護福祉士になるにはどうしたら良いか、最短で取得する方法やおすすめルートを紹介しました。
実際の現場でも学歴や年齢に関係なく、責任ある仕事を任されている方は多くいます。
高卒でも介護福祉士になるためのルートはいくつも用意されており、自分に合った方法で目指せます。
無駄なく介護福祉士を取得できることを願っています。
今記事のまとめ
・高卒から介護福祉士を目指すには「実務経験」「養成施設」の大きく2つのルートがある
・最短ルートは2年の養成施設ルート、既に社会人の方でおすすめは実務経験3年+実務者研修のルート
・資格を目指す上で高卒が大卒より不利ということはほとんどない