介護福祉士国家試験の受験資格になっている介護福祉士実務者研修ですが、取得するには時間がかかることから受講を諦めている方は多いですよね。
そこで今回は「介護福祉士実務者研修を最短でとるのにかかる時間」について解説していきます。
ゆっくりと時間をかけて受講するよりも、短期間で集中的に受講するほうがモチベーションを維持しやすいので、結果的に最短でしっかり学ぶことができるはずです。
それでは本文に進んでいきましょう。
介護福祉士実務者研修を最短でとるために必要な時間とは
介護福祉士実務者研修は介護経験のない方でも受講可能なので、これから介護の仕事に就きたいと考えている方に人気の研修です。
また介護福祉士実務者研修は、介護士の資格のなかで唯一の国家資格「介護福祉士」を取得するために必ず修了する必要がある研修なので「介護士としてキャリアアップしたい」「毎月の給料を増やしたい」と考えている方にとっては、取得しておいて損のない資格となっています。
そんな介護福祉士を目指す方にとって必須の介護福祉士実務者研修ですが、どうせなら最短で取得したいと思いますよね。
実は介護福祉士実務者研修は保有している資格によって一部の研修が免除になり、修了に必要な時間は少なくなります
たとえば無資格の場合だと「450時間、6ヶ月」の研修が必要ですが、介護職員初任者研修を取得していると130時間分の科目が免除され、320時間+医療的ケアの演習で修了することができます。
一部の研修が免除になる資格と受講時間は次のとおりです。
・介護職員初任者研修:320時間+医療的ケア演習
・ホームヘルパー1級:95時間+医療的ケア演習
・ホームヘルパー2級:320時間+医療的ケア演習
・ホームヘルパー3級:420時間+医療的ケア演習
・介護職員基礎研修:50時間+医療的ケア演習
上記のとおり保有資格によって受講時間はさまざまですが、共通して医療的ケアの演習は必要となります。
このように保有資格によって受講時間が免除されるとはいえ、介護福祉士実務者研修の受講には時間が必要になります。
なので、仕事をしている方の場合だと「せっかくの休日でも受講しないといけないのか…」と考えてしまい、なかなか受講に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
さらに実務者研修を受講する際には受講費用がかかります。
受講費用はさまざまで無資格の場合だと9万円~22万円前後、初任者研修(ヘルパー2級)を取得している場合だと6万円台~19万円前後で受講できるスクールが多いです。
このように実務者研修を受講するということは、時間的・金銭的にも負担が大きいといえるでしょう。
「費用がかかるのは仕方ないけど、できれば最短で取得したい」と考えるあなたのために、ここからは実務者研修を最短で取得する方法を解説していきます
介護福祉士実務者研修を最短でとるには
結論からお伝えすると、事前に一部の研修が免除になる資格を取得してから介護福祉士実務者研修を受講するのが最短ルートになります。
今から資格を取得するのであれば、介護職員初任者研修がおすすめ♪
またホームヘルパー1級や介護職員基礎研修を取得している方の場合だと、かなり少ない受講時間で取得することができるので、介護福祉士実務者研修の受講を検討する価値は高いといえます。
特に介護職員基礎研修を取得している方の場合だと、最短で取得することが可能なのでおすすめです。
ここで「介護職員基礎研修を取得すれば最短で実務者研修を取得できるのに、どうして介護職員初任者研修がおすすめなんですか?」と疑問に感じるかもしれないので補足しておきます。
実は、研修内容と受講時間が大幅に免除される介護職員基礎研修ですが、資格制度の変更により現在では取得することができなくなっています
これはホームヘルパー1級に関しても同じなので注意してください。
つまり大幅に受講時間が免除される資格は今から取得することは不可能なので、介護職員初任者研修を取得してから介護福祉士実務者研修を受講することをおすすめしているというわけです。
介護福祉士実務者研修の取得で学ぶ内容
ここからは、実際に介護福祉士実務者研修で学ぶ内容を解説していきます。
介護福祉士実務者研修のカリキュラムは「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」の4つの領域に分けることができます。
また上記の研修とは別で、実際に喀痰吸引や経管栄養などを実施する「医療的ケアについての演習」のなかで実践的に学ぶ必要もあります。
それぞれ順番に解説していきます。
人間と社会
人間と社会の領域では「人間の尊厳と自立」「社会の理解Ⅰ,Ⅱ」の講習を受ける必要があります
それぞれの受講時間は
・人間の尊厳と自立が5時間
・社会の理解Ⅰが5時間
・社会の理解Ⅱが30時間
の合計40時間の受講が必要となります。
人間の尊厳と自立では介護の基本的な理念や自立の支援、ノーマライゼーション、プライバシー保護といった人間の尊厳と支援に関わる知識を深めます。
社会の理解では介護保険制度の目的や介護保険サービスの種類、利用者の負担や利用時の流れ、社会保障制度の基本といった制度を学びます。
介護
介護の領域では「介護の基本Ⅰ,Ⅱ」「コミュニケーション技術」「生活支援技術Ⅰ,Ⅱ」「生活支援技術」「介護課程Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ」を受講する必要があります
それぞれの学習時間は
・介護の基本Ⅰが10時間
・介護の基本Ⅱが20時間
・コミュニケーション技術が20時間
・生活支援技術Ⅰが20時間
・生活支援技術Ⅱが30時間
・介護課程Ⅰが20時間
・介護課程Ⅱが25時間
・介護課程Ⅲが45時間
の合計190時間の受講が必要になります。
介護では介護福祉士の倫理や介護技術の基本、介護実践における連携やコミュニケーションなどの介護士についての知識を学びます。
こころとからだのしくみ
こころとからだのしくみの領域では「発達と老化の理解Ⅰ,Ⅱ」「発達と老化の理解Ⅱ」「認知症の理解Ⅰ,Ⅱ」「障害の理解Ⅰ,Ⅱ」「こころとからだのしくみⅠ,Ⅱ」の講習を受ける必要があります
それぞれの学習時間は
・発達と老化の理解Ⅰが10時間
・発達と老化の理解Ⅱが20時間
・認知症の理解Ⅰが10時間
・認知症の理解Ⅱが20時間
・障害の理解Ⅰが10時間
・障害の理解Ⅱが20時間
・こころとからだのしくみⅠが20時間
・こころとからだのしくみⅡが60時間
の合計170時間の受講が必要になります
こころとからだのしくみでは老化に伴う心身への影響や認知症ケアの理念と視点、人間の心理やからだのしくみについての理解を深めます。
医療的ケア
医療的ケアの領域では「医療的ケア」の受講と「医療的ケアの演習」をおこなう必要があります
医療的ケアの学習時間は50時間で、このほかに喀痰吸引のケアや経管栄養のケアを実践的に学ぶ医療的ケアを8時間〜16時間前後の演習を行う必要があり、スクールによって演習時間にばらつきがあります。
医療的ケアでは安全に医療的ケアを実施するための知識、医療的ケアに関する法制度などを学びます。
まとめ
介護福祉士実務者研修はこれから介護の仕事を始める方、介護スキルを高めたい方にはおすすめの資格です。
また介護福祉士へキャリアアップするには必須の資格といえるので、将来的に介護福祉士を取得したいと考えている方は早めの受講をおすすめします。
介護福祉士実務者研修のスクールはたくさんありますので、まずはお気軽にお問い合わせてみましょう。