こんにちは、介護福祉士みきこです。
介護の現場で「工夫しろ!」という言葉を耳にしたことがある人は少なくないでしょう。
この言葉は、一見すると現場の創意工夫を促す建設的な指示のようにも聞こえます。
しかし、実際には、現場の困難に対する適切な支援や解決策が提供されないまま、問題を職員に押し付ける無責任な発言であることが多いです。
この言葉を口にする職場では、問題解決が進まないどころか、現場の疲弊や職員の離職率が高まり、最終的には施設全体の運営が悪化する結果を招くことも少なくありません。
今回は、「工夫しろ!」が示す危険性を詳しく分析し、辞めるべきタイミングや新しい職場選びのポイントについて深掘りします。
「工夫しろ!」が現場に及ぼす悪影響とは?
介護現場で「工夫しろ!」という言葉が発せられる背景には、管理職や経営陣の無理解が存在します。
例えば、現場の職員から「人手不足で業務が回らない」「業務量が増えすぎて利用者へのケアが雑になっている」といった具体的な声が上がった際、それを受け止めて改善策を講じるのではなく、「言い訳するな」「なんとかしろ」と突き放すような対応が取られるのです。
この言葉がもたらす影響は深刻で、以下のような事態を引き起こします。
職員の士気の低下とモチベーションの喪失
「工夫しろ!」と言われるたびに、職員は「現場の問題を解決する気がない」というメッセージを受け取ることになります。
このような対応が繰り返されると、職員はやる気を失い、「ここにいても自分の声は届かない」と諦めるようになります。
特に真面目で責任感の強い職員ほど、この状況に大きなストレスを感じます。
ケアの質の低下と利用者への悪影響
業務過多の状態で「工夫しろ」と言われると、職員はどこかで手を抜かなければならなくなります。
例えば、食事介助を急かしたり、トイレ介助を効率重視で行ったりする結果、利用者の満足度や安全性が低下します。
介護はマンパワーが必要な業務であるため、十分な人員がいなければ、どれだけ工夫しても限界があります。
離職率の上昇と悪循環
「工夫しろ」という指示が横行する職場では、職員の負担が増える一方で、支援や解決策が提供されないため、辞める人が増えます。
そして、辞めた人の仕事を残った人が負担することになるため、さらに人員が減るという悪循環に陥ります。
「工夫しろ!」が頻繁に出る職場の特徴
このような言葉が頻繁に使われる職場には、いくつか共通する特徴があります。
これらの特徴に当てはまる場合、その職場が改善される可能性は低く、離職を検討するサインと言えます。
- 管理職の現場無理解
「工夫しろ!」を言う管理職の多くは、現場の実態を把握していないか、把握していても無視しています。
現場に足を運ばず、職員の負担や業務の流れを理解しようとしないため、問題解決に必要な具体的な支援を提供できません。
- 課題の責任転嫁
問題が起きた際に、「現場が悪い」「職員が努力していない」という姿勢を取る職場では、経営陣が自らの責任を放棄している場合が多いです。
こうした態度は職員の信頼を失い、改善の意欲を削ぎます。
- リソースの不足
「工夫しろ」と言われる職場の多くは、人員や設備が不足しています。
求人活動が不十分であったり、予算の都合で必要な備品が揃えられていなかったりするため、現場の負担が増える一方です。
辞めるべきか判断するポイント
「工夫しろ!」という言葉が横行する職場では、改善が見込めない場合が多いです。
以下のポイントを参考に、辞めるかどうかを判断しましょう。
- 具体的な問題提起が無視される
現場から具体的な問題や提案が上がっても、それに対応する気配が全く見られない場合、その職場が変わる可能性は低いです。
管理職が問題に向き合う姿勢を持っていなければ、改善は期待できません。
- 職員の退職が相次いでいる
周囲の職員が次々と辞めていく状況は、その職場がすでに危機的状況であることを示しています。
特に真面目で優秀な職員が辞める場合、その職場に未来がない可能性が高いです。
- ケアが利用者に悪影響を及ぼしている
業務過多が原因で、利用者に十分なケアが提供できない場合、それは職場全体の問題です。
このような状態が放置されている施設では、働き続けることが職員自身のストレスになるだけでなく、利用者にも悪影響を及ぼします。
辞める決断を後押しする理由
辞めることに対して「逃げることではないか」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、無理に続けることで心身の健康を害する可能性がある場合、辞めることはむしろ賢明な判断です。
- 自分の健康を守る
過労やストレスは、介護職員の健康を大きく蝕みます。
無理を続けることで心身ともに不調をきたす前に、自分を守るための行動を取ることが重要です。
- より良い職場を見つける
「工夫しろ!」と言われ続ける職場から離れることで、より良い環境で働けるチャンスが生まれます。
職場を変えることで、自分に合った働き方を見つけることができる可能性があります。
次の職場を選ぶ際のポイント
辞める決断をしたら、次の職場選びが重要です。
以下のポイントを参考に、慎重に職場を選びましょう。
- 求人情報の透明性
求人票に具体的な業務内容や人員配置が明記されているかを確認しましょう。
不明瞭な記載が多い場合、その職場に問題がある可能性があります。
- 現場の雰囲気
見学を申し込むことで、現場の雰囲気や職員同士の関係性を確認できます。
和気あいあいとした雰囲気であれば、安心して働ける可能性が高いです。
- サポート体制
管理職や事務職が現場を支援しているかどうかも重要なポイントです。
現場の負担が軽減される仕組みが整っている職場を選びましょう。
まとめ
介護の現場で「工夫しろ!」という言葉を浴びせられる状況は、職員にとって大きな負担です。
そのような職場に留まることで、心身の健康を害するリスクが高まります。
逆に、勇気を持って新しい職場を選ぶことで、より良い環境で働き続けることができます。
辞めることは決して逃げではなく、自分や利用者にとって最善の選択であることを忘れないでください。
より良い職場環境を探し、安心して働ける未来を築いていきましょう。