
世間一般的な介護の仕事に対するイメージって、わりとマイナスイメージですよね。
とはいえ、介護の仕事はとても魅力的でやりがいのある仕事だったりします。
私は介護福祉士として10年以上介護業界で働いてきました。
今回はそんな私が感じている、介護福祉士のやりがいや介護の仕事の魅力、介護福祉士になるメリットについて話します。
ではさっそく本文に進んでいきましょう。
介護福祉士になって感じたやりがいとは
もしかすると世間一般的には介護の仕事は3K(きつい、汚い、危険)といったイメージが強いかもしれません。
しかし実際には介護福祉士の仕事は、とても魅力的でやりがいのある仕事。

私が介護福祉士として感じる介護の仕事のやりがいとは、ずばり「利用者がより良い生活を送るための支援」を行うこと
介護福祉士が実施する支援は、身体的な支援や精神的な支援、社会交流の支援といった主に日常生活に関わる支援を行います。
このような支援を実施することで利用者の身体的、精神的な変化や成長を日常的に感じることができる点に、私はやりがいを感じます。
例えば食事の際にお箸をうまく使えない利用者の場合は、お箸をスムーズに使えるようになるために、お箸で豆を容器から容器にうつす練習をします。
若い方なら練習をすればすぐにできるようになりますが、高齢者の場合だとそう上手くいきません。
数週間かけて繰り返し練習して、少しずつ上達するのです。
「先週は5粒が最高記録だったけど、今週は7粒できたから最高記録更新!」
そんな小さな変化でも、すごく嬉しかったりします。
このような経験が「次も頑張ろう!」というやりがいに繋がります。
介護福祉士をはじめてうれしかったこと
介護福祉士をしていると、当たり前のように毎日うれしいことがあります。
私が日々うれしいと感じていることは次のとおりです。
・利用者に感謝される
・利用者と親しくなれる
・利用者にとって家族のような存在になれる
順番に解説します。
利用者に感謝される
介護福祉士はとにかく感謝されることが多い職業。
お年寄りは日常生活のなかで、親切にされることが少ないんだと思います。
なので、こちらが少しお手伝いしただけでもすごく感謝してくれるんです。
そして私たちも「ありがとう」「いつも助かるわ」と言ってもらえると、すごくうれしい気持ちになるんですよね。
利用者と親しくなれる
初めのうちは入居者や利用者とうまく打ち解けられなくても、毎日顔を合わせたり会話をしていると自然と親しくなっていきます。
最初は「ちょっと」みたいな感じで呼ばれていたのが、「〇〇さん」と名前で呼んでくれるようなると、利用者との距離がグッと近くなった気がしてうれしいんですよね。

あまり良いことではないのですが、親しくなると隠れてお菓子をくれようとする利用者もいたりします
とはいえ、基本的に介護福祉士が利用者から物品を頂くことは禁止されているので、「お気持ちだけ頂きます。ありがとうございます。」と丁寧にお断りしていますが、自分のためにお菓子を用意してくれていたという気持ちが本当にうれしいんですよね。
利用者にとって家族のような存在になれる
長い年月を一緒に過ごすので、まるで家族のような存在になることがあります。
実際に私はデイサービスの利用者に「自宅よりここが1番落ち着く」と言われたこともありますし、利用者から「あんたのことは本当の孫だと思っている」と告げられた経験もあります。
介護福祉士と利用者という関係上、あまりこのような感情は良くないのかもしれませんが、お互いが1人の人間なので「情」みたいな感情が生まることはよくあることです。
私たち介護福祉士からすると、こういった利用者の気持ちは本当にうれしいと同時に、介護の仕事の魅力とやりがいを再認識できる機会になったりします。
介護福祉士になるメリット
介護福祉士になると様々なメリットがあります。
私が感じる介護福祉士になるメリットは以下のとおりです。
・介護の技術や知識が身につく
・国家資格なので再就職しやすい
・待遇が良くなる
順番に解説していきます。
介護の技術や知識が身につく
介護福祉士になるためには、介護技術や介護に関する知識の習得が必要です。
こういった技術や知識は介護の仕事だけではなく、日常生活でも役立つことがあります。
・自分の両親に介護が必要になった時
・祖父母に介護が必要になった時
・公共の場でお年寄りが困っている時
上記のように、日常生活で介護福祉士として得た技術や知識が役立つシーンは意外に多かったりします。
国家資格なので再就職しやすい

介護福祉士だと再就職する際に、採用される可能性が高くなります
というのも、介護福祉士資格は介護職の資格の中で唯一の国家資格だからです。
例えば、ひとつの求人に対して介護福祉士のAさんと、無資格のBさんが応募した場合だと、ほぼ間違いなくAさんが採用されます。
なぜかというと、介護事業所が無資格のBさんを採用するメリットがないからです。
介護事業所は無資格のBさんよりも、介護福祉士資格を持っているAさんを採用すれば、介護事業所の収入源となる加算要件を満たしやすくなります。
要するに、介護事業所はAさんを採用することで収入が増える可能性があるということです。
なので、介護福祉士資格を持っていると再就職の際に採用されやすくなります。
待遇が良くなる
介護福祉士資格を取得することで、収入面で待遇が良くなる場合があります。
なぜかというと、多くの介護事業所が介護福祉士に対して資格手当を給付しているからです。
具体的には、多くの介護事業所が介護福祉士資格を持っている職員に対して、月額1万円〜1万5,000円ほどの資格手当を支給しています。
今後、介護福祉士が不足していくことが予想されるので、もしかするとさらに待遇が良くなっていく可能性も考えられます。
実は働きやすい介護の仕事
もしかすると、介護の仕事に対してマイナスイメージを持っている方がいるかもしれませんが、介護の仕事は皆さんが思っているよりも働きやすい魅力的な環境です。

私が考える介護の仕事が働きやすい理由は、年齢や性別に関係なく活躍できるところにあると思います
実際、私が働いている介護施設では20代前半〜60代後半の介護士が、やりがいをもって働いています。
またひと言に介護の仕事といっても様々な介護施設の種類があり、それぞれ働く時間帯や仕事内容、主な利用者の要介護度も違います。
例えば通所介護(デイサービス)の特徴は次のとおりです。
・基本的に8時〜17時の勤務(事業所により多少の前後あり)
・夜勤なし
・平日の休みあり
・年末年始の休みあり
・主な利用者は要介護度が低めのお年寄り
・入所施設に比べて、レクリエーション業務が多め
そして入所施設(特養や老健など)の特徴は次のとおりです。
・勤務時間は不規則
・夜勤あり
・年末年始も仕事の可能性あり
・通所介護に比べて給料が高い
・主な利用者は要介護度の高いお年寄り
・通所介護に比べて、身体介護の仕事が多め
このように介護施設によって様々な特徴がありますし、働く環境もまったく違ったりします。
なので介護の仕事を始める際は、あなたのライフスタイルに合った介護施設選びからスタートしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は私の体験をもとに、実際に介護福祉士が感じているやりがいや、魅力についてお話しさせて頂きました。
確かに世間一般的に言われているように、介護福祉士の仕事は大変なことが多いのも事実です。
しかしそれ以上に、利用者の人生に関わることのできる、魅力的でやりがいのある職業だと私は感じています。
本記事をここまで読んで、「少し興味があるな」「自分にもできるかも」と感じた方は、もしかすると介護の仕事に向いているかもしれません。
今後、介護が必要になった高齢者が増加し介護人材が不足することから、介護福祉士の需要はますます高まると言われています。
この機会にあなたも魅力的でやりがいのある、介護の仕事を始めてみてはいかがでしょうか。