こんにちは、介護福祉士みきこです。
今回紹介する「高額医療・高額介護合算療養費制度」は医療費と介護サービス費の自己負担額を減らすことが目的の制度です。
しかし何もしなければ使えない制度!
仕組みが複雑で実際にどのくらい支給されるのかわかりにくいですよね?
今回は高額医療・高額介護合算療養費制度とは何か?どのように計算されるのか?わかりやすく解説していきます。
高額医療・高額介護合算療養費制度とは?
「高額医療・高額介護合算療養費制度」と聞くと2つの制度?と思いがちですが一緒の制度と考えてください
もっとわかりやすく言うと、医療保険と介護保険の1年間の自己負担額が高額だった場合に軽減してくれる制度です。
高齢者の中には、医療と介護両方のサービスが必要な方もいますよね?
そうなってくると、かかってくる費用が高額になってくるわけです。
つまり「高額医療・高額介護合算療養費制度」とは、医療と介護の両方を利用している世帯の負担額を軽減してくれる制度なのです。
70歳未満の住民税を課税されている世帯は、
・年収約370万円(課税所得145万円未満)
上限額は年間60万円
・年収約370万円~約770万円(課税所得145万円以上380万円未満)
上限額は年間67万円
・年収約770万円~約1,160万円(課税所得380万円以上690万円未満)
上限額は年間141万円
・年収約1,160万円以上(課税所得690万円以上)
上限額は年間212万円
70歳以上の住民税を課税されている世帯は、
・年収約156万円~約370万円(課税所得145万円未満)
56万円
・年収約370万円~約770万円(課税所得145万円以上380万円未満)
67万円
・年収約770万円~約1,160万円(課税所得380万円以上690万円未満)
141万円
・年収約1,160万円以上(課税所得690万円以上)
212万円
注1 対象となるのは1年間(毎年8月1日から翌年7月31日)に支払った自己負担額
注2 70歳未満の方と合算する場合は、1か月1件21,000円以上の自己負担額が対象
高額医療・高額介護合算療養費制度で注意しなければいけない事
高額医療・高額介護合算療養費制度で知っておかなければいけない注意点は、月毎の自己負担ではなく「年間」の支払った自己負担に対しての制度となります
基本的に合算できるのは、健康保険組合からの高額療養費の給付金や自治体からの助成等を控除した後の金額となります。
また、自分が高額医療・高額介護合算療養費制度の対象になっていたとしても何もしなければ支給されません。
特に、高額医療・高額介護合算療養費制度における自己負担限度額を上回りそうな場合、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している方は市区町村から通知が届きますが、協会けんぽや健康保険組合などの加入者へは、各健康保険からとくに通知はされません。
もし支給の対象となるのであれば自分から申請する必要がありますので注意しましょう。
申請勧奨のお知らせについて
毎年8月から翌年7月まで、横浜市内に継続してお住まいの国民健康保険・後期高齢者医療に加入されている方で、高額医療・高額介護合算療養費制度の支給対象となる可能性の高い世帯については、申請勧奨のお知らせを送付します(国民健康保険は3月、後期高齢者医療は5月以降)。
ただし、次に該当する世帯については、勧奨通知が発送されない場合があります。毎年8月から翌年7月末までの間に、
他市町村より横浜市に転入された方
他の医療保険から国民健康保険、後期高齢者医療制度に移られた方
申請方法も人によって異なり、
・国民健康保険および後期高齢者医療に加入している方
市区町村
・被用者保険へ申請する世帯で、介護保険の自己負担額がある方
協会けんぽや健康保険組合など
申請期限は毎年7月31日の翌日から2年間となっています。
また、対象であった方が死亡してしまった場合は、亡くなられた日の翌日から2年間となります。
もし申請先に不安があれば、まずは市区町村の窓口に問い合わせをしてみましょう。
高額医療・高額介護合算療養費制度の対象にならないこともある!?
高額医療・高額介護合算療養費制度における自己負担限度額を上回りそうな場合でも対象とならないこともあるので解説していきます
まず同じ世帯であっても片方が75歳以上で後期高齢者医療保険に加入している場合であって、もう片方が国民健康保険などに加入している場合は合算できません。
夫婦で保険制度が異なる場合は合算できないことを覚えておきましょう。
また、医療保険と介護保険の両方を使わないと対象にはなりません!
ただ勘違いしてほしくないのは、例えば夫が医療保険を妻が介護保険を利用している場合は「世帯ごとで判断」されるので、高額医療・高額介護合算療養費制度の対象になります。
高額医療・高額介護合算療養費制度のわかりやすく解説
実際に高額医療・高額介護合算療養費制度の計算方法をわかりやすく解説していきます
ここでは例として計算していくので限度額の図と照らし合わせてみてください。
年収300万円
夫73歳 自己負担額 医療費30万円 介護費20万円
妻71歳 自己負担額 医療費30万円 介護費10万円
世帯の合計負担額 医療費60万円+介護費30万円=90万円
年齢が70歳以上で年収が300万円の場合、自己負担限度額が56万円
90万円–56万円=34万円
34万円が高額医療・高額介護合算療養費制度を利用することによって申請してから1~2カ月程度で支給されることになります。
まとめ
高額医療・高額介護合算療養費制度をわかりやすく解説していきました。
計算方法など例に挙げて説明していきましたが、今後変更していくことも予想されるので自治体などに確認してみましょう。
また、高額医療・高額介護合算療養費制度の対象にならない事や期限もあるので注意してください。
高額医療・高額介護合算療養費制度は負担を大きく緩和できる制度です。
もし自分が対象になると思ったら、まずは確認しましょう。
高額医療・高額介護合算療養費制度は、2年間はさかのぼって申請することができます!