あなたは、介護士の新しい働き方として注目されている「フリーランス介護士」をご存知ですか?
おそらく、フリーランス介護士について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、フリーランス介護士の働き方や、フリーランス介護士が収入を上げる方法を解説します。
いち早く介護士の新しい働き方について理解すれば、ほかの介護士よりも収入を上げることができるかもしれませんよ。
それでは本文に進んでいきましょう。
フリーランスの介護士の働き方とは
フリーランスとは会社などには所属せず、個人で仕事を請け負って生計を立てる働き方のことです。
フリーランス介護士は、その名前のとおりフリーランスの介護士のことをいいます。
フリーランスが多い職業といえば「エンジニア」や「Webデザイナー」のような、クリエイティブな職業をイメージするかもしれません。
しかし近年、国が「働き方改革」を推進している影響もあり、介護士でもフリーランスとして働くことは可能になりつつあります
実際にフリーランスの介護士として働き、月収50万円以上を稼いでいる方もいらっしゃいます。
また最近では、まとまった時間は取れないけど少しの時間で働きたい人や、学生などがすきま時間を活用して仕事をする「スキルシェア」といった働き方も増えてきています。
このような働き方の変化は介護業界も例外ではなく、すきま時間を利用して働きたい人と、介護事業所をつなぐマッチングサイトはすでにいくつもリリースされています。
このように、個人のライフスタイルに合わせた働き方が増えている一方で、実際にフリーランスの介護士がどのような働き方をするのかイメージしづらいかもしれませんね。
ひとことにフリーランス介護士といっても、働き方はさまざまです。
主なフリーランス介護士の働き方は次のとおりです。
・業務委託契約タイプ
・介護保険適応外サービスタイプ
・復業タイプ
上記3つの働き方にはそれぞれ違いがあるので、順番に解説していきます。
業務委託契約タイプ
業務委託契約タイプは複数の介護施設と業務委託契約を結び、実際に介護施設で介護士として勤務する働き方です
今回紹介するフリーランス介護士の働き方の中で、もっとも従来の介護士の働き方に近いのがこの業務委託契約タイプになります。
働き方としては、ひとつの介護施設で1日勤務することもあれば「介護職員が体調不良で欠勤になったので、代わりに出勤する」「人手が足りない時間帯だけスポットで出勤する」のように、ピンチヒッター的な役割を担う場合も多いようです。
このようにフリーランス介護士は、施設に雇われて働いている介護士よりも、施設の要望に対して柔軟に対応する必要があります。
介護保険対象外サービスタイプ
高齢者の中には、介護保険対象外のサービスを希望する方が一定数いらっしゃいます。
介護保険対象外でニーズの多いものは次のとおりです。
・長時間の身体介護
・外出支援(買い物、冠婚葬祭への付き添いなど)
上記のほかにもペットの散歩や自宅周辺の草むしり、話相手をしてほしいといったニーズもあります。
特にひとりで暮らしている高齢者や、身近に頼れる人がいない高齢者は不安や孤独感を感じることが多く、料金が高くても介護保険対象外のサービスを受けたいと考える方が多いです。
とはいえ、高齢者の自己負担割合にもよりますが、介護保険対象外のサービスと介護保険が適用されるサービスでは料金が最大で10倍の違いが出ることもあります。
介護保険対象外のサービスを受ける高齢者は「介護保険でカバーできないサービスを受けたい」「より質の高い介護を受けたい」と考える富裕層が多いといえます
復業タイプ
復業タイプは業務委託契約を結び介護士として働く傍ら、別の業種の仕事もこなす働き方のことで、通称「パラレルワーカー」とも呼ばれています。
「復業」を「副業」と同じ考えている人もいるようですが、どちらもまったく違う働き方だといえます。
復業は複数のメイン収入を持つ働き方ですが、副業は本業のスキマ時間などで活用する働き方です
このことから、復業と副業では得られる収入の大きさや、問われる責任の大きさはまったく違うといえるでしょう。
復業タイプの働き方の例として、介護士とライターの復業などがあります。
週の3日は特別養護老人ホームで介護職として働きながら、そのほかの日はライターとして取材や記事の執筆をおこなって生活するという働き方です。
またこのほかにも介護士として働きながら、介護施設内の研修の外部講師や福祉関係のセミナー講師、介護人材育成や介護施設の経営などのコンサルティングを復業として活躍されている方もいらっしゃいます。
介護士も個の時代に突入か?
国が2019年より「働き方改革」を推進したことをきっかけに、個人のライフスタイルや働き方は大きく変化しています。
今後さらに働き方改革が浸透することで、個人が自分に適した働き方を柔軟に選択できる世の中になっていくことはほぼ間違いないことだといえますし、働き方改革が実現すれば積極的にフリーランスを雇用する企業が増加することも予想できます。
これは福祉業界も例外ではありません。
今現在、あなたが勤務している介護施設にフリーランスの介護士がいないとしても、近い将来にフリーランスの介護士が増加する可能性は決して0ではないといえるでしょう。
このように現在の私たちが働いている環境というのは、目まぐるしいほどのスピード感で変化し続けており、すでに他業種は個人で稼ぐ力が必要とされる「個の時代」に突入しているといっても過言ではありません。
そして今後は、介護業界も個の時代に突入していくことが予想されます。
このことから、私たち介護士は来たるべき個の時代に備えて、個人で稼ぐ力を身につけておくべきだといえるでしょう
介護士フリーランスが収入を上げるには
介護士がフリーランスとして収入を上げる方法は「セールスポイント」を持つことです。
ほかの介護士にはないセールスポイントを持っていれば、介護施設はあなたを手放したくないと感じるようになります。
その結果、あなたはフリーランス介護士として長期的に安定した収入を得やすくなります。
もう少し深掘りして解説します。
あなたが経営者なら、特に得意なことのないフリーランス介護士と契約を交わしたいと感じますか?
おそらく深刻な人材不足などの理由がない限り、普通に考えて契約しようとは考えませんよね。
また、人材不足などが理由で一時的に契約を交わしたとしても、代わりの人材が見つかれば契約を終了するはずです。
高いコストを払い続けてまで、フリーランス介護士にお金を払い続ける理由はありませんからね。
しかしこれを逆に考えると、介護施設にあなたを「手放したくない」と思わせることができれば、長期的に収入を得ることができるということです。
自分の価値を高めながら契約する介護施設や個人を増やしていくことができれば、フリーランス介護士としての収入はどんどん上げることができるでしょう
まとめ
今回はフリーランスの介護士の働き方と、フリーランス介護士の収入の上げ方について解説しました。
まだまだ一般的ではないフリーランス介護士という働き方ですが、実際に稼ぎはじめている方がいますし、近い将来には一般的な働き方として認知される可能性もあります。
急速に変化し続ける介護業界で今後も活躍するために、フリーランス介護士という働き方を選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。