あなたは「デイサービス」について詳しく説明できますか?
「名前は聞いたことはあるけど、どんなところか分からないな…」
このような方がほとんどだと思います。
今回はそんな方向けに、現役介護福祉士でデイサービスに勤務している私がデイサービスについてわかりやすく簡単に説明していきます。
デイサービスについて理解することで、就職や転職をする際の参考にすることができるので、ぜひ最後までご覧ください。
デイサービスとは?
デイサービスは一般的に「デイ」や「通所デイ」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「通所介護」になります
デイサービスの種類は大きく分けて「通所介護」と「通所リハビリテーション」の2つに分類することができます。
通所介護と通所リハビリテーションの違いを簡単に説明すると、介護に特化しているのが通所介護、リハビリに特化しているのが通所リハビリテーションのようなイメージで問題ありません。
どちらのデイサービスも、要介護認定を受けている高齢者が日帰りでサービスを受けることができます。
デイサービスの利用者は在宅で生活している方がほとんどなので、特別養護老人ホーム(特養)などの入所施設とは違い、元気な高齢者の割合が多いのが特徴です。
また「歩行が不安定になってきたので、しっかり歩けるように運動をしたい」や「自宅で入浴するのが危険になってきたので、デイサービスで安全に入浴したい」のように、人それぞれ利用する目的は大きく異なるのもデイサービスの特徴だといえます。
デイサービスでの仕事内容は?
デイサービスで働く介護士の仕事内容は次のとおりです。
・自宅と施設間の送迎
・身体介助
・運動や体操
・レクリエーション
それぞれ簡単に解説していきます。
自宅と施設間の送迎
デイサービスでは利用者さんを自宅まで迎えに行き、自宅へ送り届けるまでが介護士の仕事になります。
「元気な人が多いのに送り迎えまでする必要があるの?」と感じるかもしれませんが、結論からいうとほとんどの場合が必要です
なぜかというと、ほかの施設と比べて元気な利用者さんが多いといっても、あくまでデイサービスを利用する高齢者は要介護認定を受けている方なので、自分で施設まで通うことは体力的に難しいケースがほとんどだからです。
ただし「自宅から施設までの距離が近い」や「家族さんが施設まで送迎してくれる」のような理由がある場合は送迎をしないこともあります。
身体介助
入所施設と比べると頻度は少ないですが、デイサービスでも身体介助をおこないます
利用者のなかには筋力の低下や疾病の影響で、体が不自由で思うように手足を動かせない方や、ベッドの上で寝たきりの状態で生活している方がいるからです。
このような利用者さんにはお風呂に入る支援をおこなう入浴介助や、定期的にオムツを交換する排泄介助、食事をする補助をおこなう食事介助などの身体介助をおこなう必要があります。
デイサービスは入所施設などと比べて身体介助をおこなう機会が少ない傾向がありますが、身体介助は介護の職場では重要な仕事なので、日頃から積極的に身体介護に関わるように意識することが重要だといえるでしょう。
運動や体操
デイサービスでは身体機能の維持・向上を目的とした運動や簡単にできる体操をおこないます。
高齢者は体力の低下により日常的に運動する機会が減ってしまい、さらなる体力の低下や筋力の低下によって、歩行が不安定になり転倒のリスクが大きくなるからです。
厳密には運動を実施できるのは看護師などの機能訓練指導員なのですが、介護士でも運動の一環として簡単な軽い体操などを実施することは可能です。
レクリエーション
ほとんどのデイサービスでは毎日レクリエーションをおこないます。
レクリエーションには脳機能の活性化や他者との交流を図るといった効果があり、利用者さんが飽きてしまわないようにさまざまなレクリエーションを考案、実施するのがデイサービスで働く介護士の大きな役割のひとつです。
レクリエーションを実施する際の注意点としては、難しいことが要求されるものは控えたほうが良いでしょう
あまりに難易度が高いと利用者さんから「難しすぎる!」「面白くない!」といったクレームが出てしまう原因になるので、レクリエーションを考案する時点で利用者さんのレベルに合わせた比較的簡単なものを準備しておくと良いです。
デイサービスで働く介護士の1日のスケジュール
デイサービスの営業時間は朝から夕方までなので、介護士の勤務時間は8時〜17時前後の場合がほとんどです。
特養などの場合は「早出」「日勤」「遅出」「夜勤」のような交代制でシフトを組みますが、デイサービスのシフトは基本的に「出勤」か「休日」の2パターンになります。
ですから、基本的には朝に自宅を出て夕方に帰宅できることから、ほかの施設勤務と比べて生活リズムを整えやすい環境だといえるでしょう。
そんな一定の生活リズムで働くデイサービスの介護士ですが、実際に1日の仕事の流れはどのようになっているのでしょうか?
ここからは私が実際に勤務していたデイサービスのスケジュールを例に、デイサービスで働く介護士の1日のスケジュールを簡単にご紹介していきます
例)デイサービスの1日の流れ
8時00分 出勤・営業準備
8時30分 送迎車で利用者を自宅まで迎えに行く
9時15分 施設に到着
9時30分 バイタル測定(血圧や体温を測定)
9時45分 男女別に入浴(入浴していない利用者は機能訓練をおこなう)
11時30分 口腔体操
12時 昼食介助
13時 休憩
14時 排泄介助
14時30分 体操・脳トレ(間違い探し、計算問題など)
15時30分 おやつ
16時30分 送迎車で利用者を自宅まで送り届ける
17時00分 退勤
以上がデイサービスの一日の流れです。
上記はあくまで一例なので、デイサービスで働く際の参考にしてみてください。
ここでひとつ注意するべきことがあります。
一般的にデイサービスで働く介護士は「夜勤がない」と思われがちですが、絶対に夜勤がないわけではありません。
基本的に夜勤はありませんが「お泊まりデイ」のような宿泊サービスを提供している事業所では、夜勤業務をしなくてはならない可能性があるので注意が必要になります。
これは事業所によって提供しているサービスが違いますので、就職後に「夜勤はしたくなかったのに…」とならないように、事前にお泊まりデイではないことを確認しておくことをおすすめします。
デイサービスで必要になる資格とは?
デイサービスで働く際に資格や免許を取得する必要はなく、介護の経験がない人でも採用している事業所は多いです。
しかし最近では、無資格の介護職員を簡単に採用しない事業所も増えてきている傾向があります
デイサービスで働きたい人は介護経験がない人でも受講できる「介護職員初任者研修」を取得しておくことをおすすめします。
またデイサービスでは、利用者を送迎する際に送迎車を運転する必要がありますので、運転免許を取得しているとさらに良いといえるでしょう。
デイサービスはこんな人にオススメ!
デイサービスはほかの介護施設に比べて元気な利用者が多く身体介護をおこなう機会が少ないので、身体面・体力面の負担が少ない環境です
また、お泊まりデイを除けば夜勤業務がなく、出勤時間も一定なので比較的簡単に生活リズムを整えやすい職場だともいえます。
以上のことから体力に自信のない方や子育て中のママさんなど「夜勤ができない」といった事情を抱えている方などは、デイサービスで働くのに向いているといえるでしょう。
まとめ
今回はデイサービスについて簡単に説明しました。
デイサービスは、要介護認定を受けている高齢者の在宅生活を支える介護事業所です。
働く際に資格は不要ですが、まずは未経験でも取得ができる介護職員初任者研修の受講がおすすめです。
利用者は元気な方が多く基本的に夜勤もないので、ほかの介護施設と比べて体力的に楽な職場だといえますし、家庭の事情で夜勤ができない方にはおすすめの職場だといえます。
デイサービスは「体力に自信がない」「子育て中なので夜勤はできない」といった方にとっては働きやすい環境ですので「夜勤はできないけど、日中なら働ける」といった方は、ぜひデイサービスで働く検討をしてみてはいかがでしょうか。