こんにちは、介護福祉士みきこです。
今回は特別養護老人ホームやデイサービスセンターにとってとても必要は機能訓練指導員についてお話していきます。
特に「機能訓練指導員はきつい!」と言われる事があるので、その実態に迫りたいと思います。
仕事がそんなにキツイ?資格の取得が難しい?
そんな事で「きつい!」と感じているわけではありません!
大変な職種かもしれませんが介護業界ではとても重要なポジションだという事をお伝えしながら解説していきます。
機能訓練指導員が「きつい!」と言われる理由
機能訓練指導員になる理由は人それぞれですが、これからの時代に必要な立場にある職種だと考えて病院や看護業界に入る方がいらっしゃります。
当然仕事なので「きつい!」と感じる場面はあって当然なのですが、機能訓練指導員だからこそのキツサがあります
主な仕事内容は
1.利用者さん一人一人に合わせた機能訓練計画表を作成
2.利用者さんの状態を常に観察
3.一人一人に合わせたトレーニング
等々、利用者さん一人ひとりに合わせた機能訓練を行っていきます。
この仕事内容が「きつい!」と言われている理由・・・ではありません!
機能訓練指導員の仕事内容が「きつい!」と考えている人もいますが、本当にキツイ!と感じているのは他の要因が多いのをご存じでしょうか?
私達介護職からすれば、本当に必要な存在なのですが残念ながら認められていない環境が多いのも事実です。
機能訓練指導員といっても
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護師
・准看護師
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
そして平成30年度からは、 はり師・きゅう師
の資格を持っていれば機能訓練指導員になることができます。
つまり、機能訓練指導員といっても得意分野が分かれている事もあって、それぞれの資格を持っていて機能訓練指導員になったとしても、現場で働いていけるかどうかは個人によるところが大きいのです。
もっと具体的に言うと、同じ職場での介護職や利用者さんから求められることが苦手になってしまう方もいらっしゃるのです。
例えば、理学療法士の方が機能訓練指導員になった場合、リハビリに特化しているものの健康状態や体調管理に特化しているかどうかは不明な部分もあります。
施設内でリハビリを中心に業務を行っていき、それを求める人が多ければいいかもしれませんが、逆に健康状態や体調管理を求められれば業務的にも苦戦してしまうかもしれません。
逆に看護師や准看護師の方が機能訓練指導員になった場合、リハビリに関する知識が少なく利用者さんや介護職の間で「使えない機能訓練指導員・・」と思われてしまう場面も少なくないでしょう。
国の考え方としては、
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ、指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験を有すること
厚生労働省 介護人材関係についてより
と上記のようになっていますが、6ヵ月以上勤務したからと言って、それで機能訓練指導員としてやっていけるかどうか私は疑問に思います。
私が疑問に思う理由は、機能訓練指導員を配置した事業所で6ヵ月以上勤務して、そのままその施設で働いていけるのであれば良いのかもしれませんが、機能訓練指導員を複数人在籍できない施設もあるでしょう。
厚生労働省の資料によれば、1事業所あたりの平均機能訓練指導員の人数は
参考 リハビリテーションと機能訓練の機能分化とその在り方に関する調査研究より
このように1つの施設に複数人いることが少ない事がわかっています。
また、個別機能訓練加算の届出をしていない理由として1番多いのが「機能訓練指導員を「常勤・専従」で配置することが難しい」という結果も出ています。
参考 平成 27 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査 より
個別機能訓練加算Ⅰの回答になりますが、機能訓練指導員を常勤・専従で配置することが難しいが67.7%となっていることからも少ない人数で業務をこなしていることがうかがえます。
例えば同じ施設内で2人も3人も機能訓練指導員がいるのであれば、先に働いていた先輩がこれから働く後輩に教えながら業務をこなしていけるかもしれません。
私からすれば機能訓練指導員はとても貴重な存在なのですが、現実的には先ほどの図からもわかるようにあまり評価されていないのかもしれません。
経営面の考え方もあるのでしょうけど・・。
機能訓練指導員は本当にきついのか?
機能訓練指導員は施設に在籍していても少数なのが現状!
今の制度では機能訓練指導員は特別養護老人ホームやデイサービスセンターに、必ず一人以上配置をすることになっています。
だから1人しかいない施設が多いのか・・と思うと非常に残念ですが、現実は最低限の人数でやっていく介護施設が多いと思います。
その少ない中(状況によっては1人)で、利用者や介護職に期待されたことをしていかなければ「使えない機能訓練指導員」と言われてしまう事もあるようです。
また、自分でしか業務もあるので残業になる事も・・。
つまりは機能訓練指導員として一人でやらなければいけない状況もあり、そのことが「きつい!」と感じてしまう方もいます。
実際にいませんか?
機能訓練指導員として就職して未経験の状態なのに、即戦力となって働くことをせまられた方は・・。
しかし、逆もいて一人だから自分の思い通りにでき上手くいってもいかなくても自分の責任と感じてやりがいを感じながら機能訓練指導員をやっている人もいます。
この1人でどのようにやれるかによって「やりがい」を感じるのか「きつい!」と感じてしまうのかが分かれ目なのでしょう。
今後介護の世界では更に機能訓練指導員は必要不可欠になっていくと思いますが、今の状況を変えなければ機能訓練指導員として継続的に働く人が増えにくいのではないでしょうか?
また、施設によっては介護士の仕事と兼務させ入浴介助、排泄介助、食事介助等をしているところも存在しています。
機能訓練指導員は必要な存在!
機能訓練指導員は特別養護老人ホームやデイサービスセンターに、必ず一人以上配置をすることが定められています。
機能訓練指導員の配置基準は、指定通所介護事業所(指定地域密着型通所介護事業所)ごとに1以上と定められている。
厚生労働省 介護保険最新情報より
この1人以上となっている事が上手くいていな状況を作っているのかもしれません。
「機能訓練指導員は必ず1人以上・・」がどのような意味で必要なのか、もっと理解をしていかなくてはいかないと思います
国で決めた制度だからしかたなく1人在籍させるのか・・・。
それとも介護にとって必要だから機能訓練指導員を在籍させるのか・・。
建前ではなく、本当の意味での必要性を明確にしてほしいのが私の意見です。
そうはいっても今現在は1人で業務をこなす機能訓練指導員は多いので、「きつい!」と感じてしまう場面もあるので機能訓練指導員ではなくても同じ職場の仲間として支えあえる環境が増えてくれればと思います。
まとめ
機能訓練指導員が「きつい!」と感じてしまう環境についてお話していきました。
仕事の内容が「きつい!」と感じる以外に、孤立した状態で悩んでしまっている方は多いと思います。
これからの介護業界で機能訓練指導員は必要な存在ですが、その事を本当に理解できていない方が多いのも事実です。
「義務だから1人いなければいけない」ではなく、「本当に必要だから機能訓練指導員はいなければいけない!」
そんな環境に1人でも多くの方に気づいていただきたいです。