あなたは介護職として日々の業務の中で学びを感じることはありますか?
実際に働いていると業務をこなすことに精一杯で、学ぶ余裕がないという人がほとんどかと思います。
しかし、介護の職場はあなたが今後生きていく中で、いつか必ず役に立つことを学べる最高の環境なのです。
そこで今回は、介護職が給料を貰いながら業務の中で学べることを解説します。
少し視点を変えるだけで、職場を「人生の学校」にすることができるのです。
介護職は成功者への第一歩だった?!
介護職は、色々な利用者さんからの人生経験が聞けるといったメリットがあります。
基本的には、介護職と利用者さんは長期的な関わりを持つことがほとんどなので、人生経験を聞く機会はほかの職業よりも多いといえます。
そして、他人の色々な人生経験を聞くことはあなたの「人生の成功の元」になるのです。
少し考えてみてください。
人生の大先輩である、利用者さんからさまざまな人生経験を聞けるということは、その人が長い年月を生きてきた中で経験した、いわば「人生の財産」ともいえる経験談を聞くことができるのです。
そして勤務する施設の規模にもよりますが、介護職は数十人~数百人の利用者を対象に業務をおこないます。
つまり、対象の利用者さんが多ければ多いほど、あなたの「人生の成功の元」になる利用者さんの、人生経験を聞くことができるというわけなのです
なので、あなたが人生で成功したいと考えるのであれば、色々な利用者さんから聞いた人生の経験から学ぶことが、あなたが人生で成功する近道だといえるでしょう。
しかし、利用者さんの人生の経験から学べと言われても、何をどのようにして学べばいいのか分からないですよね。
なのでここからは、私が過去に利用者さんから聞いた言葉の中で、もっとも記憶に残っているものをご紹介します。
私が利用者さんから聞いた記憶に残る言葉
これは以前、私が介護付有料老人ホームに勤務していた時のお話です。
当時、私が勤めていた老人ホームというのは、入居するために入居一時金として数千万円が必要になる、いわば富裕層の高齢者が入居する有料老人ホームでした
そのような高額な費用が必要な老人ホームに入居されている方というのは、会社を経営していた方や大企業で役職についていたような方が多く、そんな方々から聞くお話はとても有益なものばかりでした。
その中でもAさんは、私にとって学びが多くとても説得力のある人生の経験をお話ししてくれる方でした。
それもそのはずで、Aさんは長年にわたり校長先生をされていた方だったのです。
当時の私は、Aさんの生活支援を担当をしていたこともあり、私はAさんから色々なお話を聞くことができました。
そしてその中でも、特に私の記憶に残っている言葉があります。
Aさんが私にお話ししてくれたことを要約すると、次のような内容でした。
・学びに対して間違った認識を持っている人が多く、そのほとんどが勉強して知識を増やすことを学びだと勘違いしている。
・学びとは、実際に聞いたり感じたことを記憶するだけではなく、聞いたことを実行したり感じたことを誰かに話すなどの行動にうつすことが重要。
・もちろん行動すれば成功することもあるし、失敗することもあるが、その結果から「○○したら失敗する」「成功するためには○○が必要」のような、失敗体験や成功体験を得ることができる。
・これが学ぶということです。
上記が、私が記憶に残っているAさんの言葉です。
Aさんのこの言葉は、学校のテストに例えると理解しやすいかもしれません。
学生は授業で先生から色々なことを教わり、自分で復習して勉強しますよね。
そのあとのテストでは、頑張って勉強して覚えた知識を頼りにして、必死にテストに挑みます。
そして採点された答案用紙を見て、「今回は頑張ったから点数が高かった」や「まったく勉強できなかったから点数が低かった」と一喜一憂するわけです。
先生から教わったことを勉強することで知識を増やし、増やした知識でテストに挑むという行動をとります。
そして、テストの採点結果で成功体験や失敗体験を得るのです。
私はこのAさんの言葉を聞いた時に、どれだけ知識を持っていたとしても行動に反映しないと意味がないということを学びました
このように、介護職は人生の大先輩である利用者さんの人生経験を聞くことで、給料を貰いながらたくさんのことを学べる魅力的な仕事です。
介護職が働きながら学べること
介護職が利用者さんから学べることはたくさんあります。
その中でも「ほかの職業で学ぶのは難しいのでは?」と感じるものをご紹介したいと思います。
私が感じている、介護職ならではの働きながら学べることは次のとおりです。
・自分の老い方を学ぶことができる
・自分の人生の指標にすることがきる
・人生はいつでもやり直すことができる
それぞれ解説します。
自分の老い方を学ぶことができる
介護職が利用者さんから学べることの1つめは、将来の自分の老い方についてです。
利用者さんは、私たちよりも長い年月を生きてこられていることもあり、皆さんそれぞれ性格が大きく違います。
そして、さまざまな利用者さんを見ていると「自分も、この人のような老い方をしたい」と感じる性格の利用者さんがいるので、その利用者さんをお手本にすることができます。
このように、介護職は普段あまり学ぶ機会の少ない、自分が数十年後にどのような高齢者になっていたいかを学ぶことができます
自分の人生の指標にすることができる
介護職が利用者さんから学べることの2つめは、自分の人生の指標です。
数十人〜数百人の利用者さんと関わっていると、さまざまな人間性の利用者さんがいます。
どんなに嫌なことを言われても決して怒らない方や、人の悪口や陰口ばかりを口にしている方など本当に人それぞれだと感じます。
色々な利用者さんと関わっていて思うのですが、やはり温厚な方ほど周りからは愛されますし、攻撃的な方にはあまり人は集まってこない傾向が強いような気がします
とはいえ、どのような人間性が良い・悪いといった話ではなく、自分がどのように生きていきたいかの指標にすることができるでしょう。
人生はいつでもやり直すことができる
3つめの介護職が利用者さんから学べることは、人生はいつでもやり直すことができるということです。
あなたはこのように考えたことはありませんか?
「新しいことに挑戦したいけど、いまさら遅いよな…」
私たち人間は、年を重ねるごとに人生をやり直すのは無理だと考えるようになり、どんどん新しいことに挑戦する機会が減っていきます。
しかし私が知っている利用者さんの中には、まったく触ったこともないギターに86歳から挑戦された方がいました。
けっして上達は早くはありませんでしたが、1年ほど練習を続けて1曲を演奏できるようになり、最終的には50人の前で演奏会をおこなうほどでした。
実はその方は、
「昔からギターに興味があったけど裕福な家庭でもなかったし、大人になってからも仕事ばかりの人生だったので、ギターに挑戦することを諦めていた。」
と言われていました。
しかし、高齢者になり時間を持て余していた時に「今しかない!」と、昔から憧れていたギターに挑戦したのだそうです。
私はよくその方から「まだまだ若いんだから、たくさん挑戦をしなさい!」「人生をやり直すのに、遅いなんてことはない!」と言われたことをきっかけに、当時勤めていた職場を退職して以前から興味のあった現在の職場に転職をすることができました。
このように介護職は、給料を貰いながら利用者さんからさまざまな「人生の成功の元」を学ぶことができる、最高の仕事だといえるでしょう
まとめ
介護職は人生の大先輩である利用者さんから、「人生の財産」ともいえる人生経験を聞くことで、自分のこれからの人生に活かすことができる仕事です。
これから自分の人生をよりよくしたいと考えるなら、まずは日々の業務の中で利用者さんから聞いた人生経験をもとに、あなたの人生を少しずつ変えてみてはいかがでしょうか。